【フリーランス経営哲学講座】#29都会と地方のフリーランスで差は存在するか?

読者

都会の生活に疲れたので、地方に戻ってゆっくりフリーランスとして生活したいです。ですが地方は都会と距離があるので、お仕事がもらえるか心配です。都会と地方のフリーランスは、やっぱり仕事のやりやすさが違いますか?

栗林

これだけネットが発達しても、地方でフリーランスになるのはハードルが高いと感じている人が結構多いです。なので今この時代に起業するのに地域での差があるかも含めて、「昔の起業」と「今の起業」がどう変化しているのかを考えてみましょう。

都会と地方の差「競争の激しさ」

都会で成功した経験のあるフリーランスが、地方に移住して再スタートするのは何の問題もありません。ただし、地方にしか住んだことがない人は、都会の人よりも多めにビジネスの勉強をしておいたほうが良いです。

読者

やっぱり地方の方が不利なんですか?

何回も言ってますけど、すでに実力があれば都会でも地方でも何の関係もないです。都会と地方に差なんて何もありません。でも、初めて起業するっていう人を見るとね、地方の人のほうがビジネスの勉強量が足りないと感じることが多いように感じます。

栗林

都会と地方って何が違うかって言うと、競争の激しさです。都会はビジネスがとても活発なんだけど、活発な分だけ同業者というライバルがとても多いです。

地方はビジネスがあまり活発じゃないんだけど、同業者もほとんどいないので、盛り上がらない感じで始まることが多いです。売上高とか事業規模が、どうしても小さくなる傾向があります。

10倍速で成長する方法「本番の数稽古」

で、ビジネスの実力ってどうやったら効率よく上がっていくかというと、たくさん仕事をすることです。数稽古っていう言葉があるんだけど、どんな仕事でもある程度の回数を反復継続すると、だんだん上手になるんですよ。もちろんいつか頭打ちするんだけどね。

この数稽古なんだけど、本番の数稽古が一番上達します。

本番1回っていうのは、練習10回分に相当するくらい上達します。だからね、片岡さんの講座で片岡さんに何十回も作品を添削してもらうのと、本番を数回やるというのは、上達度合いが同じなんです。

読者

本番じゃないと「実際の仕事で求められる基準」は本当の意味で分からないですね。

それでね、地方というのは都会に比べて仕事の絶対量が少ないから、どうしても本番の回数が少ないんですよ。

栗林

だから、都会に比べて上達のペースが遅くなっちゃうんです。だから、未経験で勉強不足の人が地方でいきなりフリーランスを始めると、仕事があるんだかないんだかよくわからなくて、盛り上がらないままヒマしてることがあるんですよ。

世界一のコンサルタントでも教えられないこと

で、こっちがいくら理論を教えても経験までは教えられないから、何もできん動けん、みたいな状態になってお手上げになってしまうんですよ。

1回も泳いだことのない人に、クロールとか平泳ぎの身体の使い方をホワイトボードを使って教えるみたいな。これはどんな名コーチでも無理でしょ。まずプールに行ってみようか、ってなるじゃん。

読者

「自転車に乗れるようになるには、まず乗ってみる」と似ていますね。

これが都会だとね、そこら中でリアルに実践が行われてるから、ちょっと見に行こうか、って教えることができるんですよ。さっきのプールの話みたいにね、実際に泳いでいる人の姿を見せに連れて行くことができるんですよ。近いからね、すぐに見せてあげられるんですよ、お店でも何でもね。

そうするとね、本人も自分に足りないものは何かすぐに気がついてくれて、「あれやります」「これやります」ってなるんですよ。

栗林

ところが地方だと、どこもかしこもビジネスが低調だから、現場を見せて体感させることが難しいんですよ。

それじゃ都心部へ連れて行けばいいんだけど、お金がないとかいろいろ言うし、その人はその地方で成功することをイメージしてるから、都心部を見せても他人事みたいな感じになって、いまいち入っていかないんですよね。

日本マクドナルドの教え「アメリカに行け」

私に経営を教えてくれた先生はね、アメリカに行けとずっと言い続けてたんですよ。ビジネスの最先端はほとんどアメリカだから、アメリカを見てこいって。いくら俺が論理を口で説明しても、現地で体感しなきゃわかりっこないって。

それでね、その先生には何十回もアメリカに連れて行ってもらいました。そのアメリカでの体験はね、自分にとっては死ぬまで使える財産になりましたよ。

栗林

ソフトバンクの孫正義はね、日本マクドナルドを創業した藤田田という人に手紙を書いたんですよ。ITビジネスをしたいけどどうしたらいいかって。そしたら藤田田はね、日本じゃ何も学ぶことがないからアメリカに行きなさい、って返事を書いたんですよ。そしたら孫正義はね、高校中退して本当にアメリカ行っちゃったの。

読者

すごい行動力ですね。私はアメリカは行けないかもしれませんが、都会なら行けます!

そんな世界的な経営者と自分を比べる必要はないんだけど、やっぱり地方しか知らないで、その地方からいっさい出ないでなんとかしようってのは、ちょっと無理があるよね。Zoom飲み会なんてすぐにすたれたでしょ。やっぱリアルに体感しないと、つまんないってみんな思ってるから、すたれちゃったんだよね。

だからね、どんなビジネスをやるにしてもね、リアルを体験しておくってすごく大事なんですよ。地方はそのリアルを体験しづらいから、前提として実力が必要かなと思います。

確実に人生を変える3要素

ちょっと話がそれるんだけど、毎日退屈だから人生を変えたいんですけどどうしたらいいですか?って相談される事あるんですよ。そのときはね、

住む場所、仕事、パートナーの3つを変えてください。これだけで、まったく別の人生を歩むことができますよ、

って答えてます。

この3つを変えて人生が変わらないなんてありえないから。ようはね、この3つは人生を構成する要素のほとんど、ってことですね。

読者

ただ3つを変えるのもいいですね。さらに理想の自分が住んでいる場所、やっている仕事、一緒にいるパートナーに変えると、良い方向に進みそうです!

日本は起業”だけ”は、し放題です

あとなんだっけ、昔の起業と今の起業の違いだっけ。細かい話は省くけど、今の日本の経済は完全に成熟期なんですよ。これぐらいはみんな感覚でわかるよね。

でね、成熟期っていうのは、経済ルールの整備がだいたい確立し終わってるから、経済の自由が幅広く認められているので、昔に比べて起業がすごくやりやすいんですよ。うん、起業だけはね、やりやすいんだよ。

読者

起業するだけで、終わっちゃうんですか?長く稼ぎ続けたいです。

栗林

でも、その後の成長となると、話は別です。例えば今のヨーロッパなんて、新しい世界企業なんてほとんど出てこないでしょ。あれはね、成熟期もいいとこの成熟期だから、出てこれないんですよ。アメリカでも成熟期が近いからね、GAFAの次は中国に抜かれそうだよね。

「起業しやすいが成長しにくい日本」に来るビッグチャンス

で日本の話なんだけど、起業はすごくやりやすいんだけど、そのあとの伸びはけっこう難しくなりました。起業してね、フリーランスがそこそこ食べてくくらいは簡単なんだけど、毎年億単位の利益をソロ活動だけでやり続けるっていうのは、難易度高いですね。

読者

億単位が難しくてもフリーランスとして食べていくのはできるんですね。少し安心しました。

栗林

ITバブルの頃なら、すごい簡単だったんだけど、あの手のバブルはちょっと期待できないよね。フリーランスにとって次のビックチャンスは、通信規格5Gが普及していくときかな。

5Gが普及する過程で大企業が資本の力に物を言わせていろんなサービスをしかけてくるから、そのすき間をねらっていくことになるかな、と思ってます。

こういう5G普及のチャンスも、ヒマな地方でぼけっとしてると乗り遅れるからね。1回だけビックウェーブに乗って一山あてて、あとは人生引退でも全然OKだからね。

本日は以上です。

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