【フリーランス経営哲学講座】#44フリーランスを始める手続き

読者

会社員の時は年金や保険を会社がやってくれていました。フリーランスを始める際に手続きを自分でやらないといけませんが、やり方を教えていただけますか?開業届けも必要だと聞きました。

栗林

フリーランスを始めると手続きでもっとも大切なのは、社会保険です。社会保険というのは健康保険、国民年金または厚生年金、雇用保険の3つがあるんですけど、フリーランスにとって大事なのは健康保険年金ですね。それぞれの手続き方法を話していきましょう。

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国民健康保険は、めちゃくちゃ高いです

まず健康保険ですけど、ちゃんと加入してないと病気になったときに病院に行けなくなりますからね。健康保険は、会社を退職したら国民健康保険、というのに加入することになります。

国民健康保険は国がやっている健康保険で、小さな自営業者とかが加入しています。昔は町の商店街の人たちとか、個人の美容室とか飲食店とか、そういうところです。ところがですね、

この国民健康保険の保険料なんですけど、はっきりいってめちゃくちゃ高いです。

読者

「国民」と入っているので安いと思っていました。いくらくらいなんですか?

ホントに高いんです。国民健康保険の保険料は、前年の収入をもとに算出されるんですけど、ざっくりと年収600万円で、毎月6万円ぐらい払わなければいけません。

栗林

めったに病院なんていかないのに、毎月6万円はかなり痛いですよ。毎月6万円ってワンルームアパートの家賃ぐらいですよ。もちろん年収が低ければもっと安くなるんですけど、けっこうな出費になります。

サラリーマン時代の健康保険は、保険料の半分を会社が払ってくれていましたが、国民健康保険はそういうのがないのと、所得が低い人の加入者が多いため、どうしても保険料が高くなります。

まずは任意継続保険に入りましょう

で、フリーランスになった直後に、このバカ高い保険料の出費はかなりイタイですよ。そこでですね、会社を辞めたらいきなり国民健康保険に加入するのではなく、まずはこれまで勤めていた会社の健康保険にそのまま残れる「任意継続保険」というのに加入すると良いです。

栗林

この任意継続保険というのは、会社を退職しても最長2年間はこれまでの健康保険に残れる、という制度です。この任意継続は、退職時の給料をもとに保険料が算出されますが、ほとんどの人が国民健康保険より安くなると思います。

そのため、会社を退職してフリーランスになろうとするなら、健康保険はまず任意継続保険に入っておきましょう。

読者

退職する時、任意継続保険に入り忘れないようにします!

国民年金は支払ったほうが良いです

次に年金なんですけど、会社を退職すると年金は厚生年金から国民年金に変わります。国民年金は、毎月16700円ぐらいだったかな。これは自動的に納付通知が来ますので、支払ったほうが良いです。

読者

「年金制度は崩壊している」と聞くのですが、支払った方が良いんですか?

栗林

年金を信用していない、当てにしていない人ってけっこう多いんですけど、年金制度がなくなってしまうことは、100年ぐらいはないです。どうして年金は続くのかって言い切れるのかというと、年金を消滅させるには選挙が必要だからです。

年金をもらっている高齢者って、選挙権あるでしょ。あと、年金を払っているサラリーマンも、選挙権あるでしょ。で、年金がなくなるってことは、年金をもらっている人も払っている人も、全部台無しになるってことですよね。

年金財政はヤバいですが、ちゃんともらえます

そんな法案を通そうとするなら、120%選挙で落ちますから法案が通るわけありません。今後の年金の新規加入を停止するとか、選択制にするとかはあり得るでしょうけど、いま貰ったり払ったりしている人の権利がなくなる法案を通すことは無理ですね。

だから、将来年金がもらえなくなることはないです。ただし、年金財政がヤバイ状況なのは本当のことですから、年金の支給開始が遅くなったり、年金の支給額が減らされるという対応は今後も続くと思います。

今の日本株の40%は、年金と日銀が買い支えてますからね。株を売ったら株価が下がってしまうので、売るに売れないんですよ。そのうち日本の会社の筆頭株主は全部、日銀と年金になるかもしれませんね。で、もし年金を払いたくないなら、若い時から年金に代わる資産形成をちゃんとやっておいたほうがいいですよ。

栗林

日本人は欧米に比べて、この資産形成の意識がとても低いですからね。厚切りジェイソンが本で書いたような、ああいう資産形成ですね。そういうのをやらないんだったら、ちゃんと年金は払っておきましょう。

読者

資産形成をやっておけば、年金は払わなくていいんですか?

ちなみに、国民年金も2年以上とかあまりに長い期間滞納すると、最近は差し押さえ通知が来るみたいですよ。けっこう強力なやつが。というわけで、年金は払っておいたほうがいいかなと思います。

開業届を出す基準「20万円以上稼げそう」

次に開業届なんですけど、これは税務署に出すやつですね。年間で20万円以上の収入があったら確定申告をしなければいけないので、20万円以上稼げそうな見込みがでてきたら、開業届は出したほうがいいですね。

そうはいっても、実際は20万円以上の収入があっても確定申告してない人もいますし、売上が少額だと税務署に捕捉されませんからね。

栗林

競馬やパチンコでも20万円以上稼いだら申告しなきゃいけないんですけど、ほとんどみんな申告してませんからね。こないだ競馬で大勝ちした芸能人が税務署に入られましたけど、あれもYouTubeで何千万円勝ったって言ったから捕捉されただけですしね。少額だとあんまり捕捉されないです。

読者

少額だったら、開業届を出さなくても問題なさそうですね。いつ出すか迷います。

開業届を出すと税金が安くなる

そうはいっても、2か月連続して10万円以上の売上があったのなら、その時点で開業届は出しておいたほうがいいですよ。たぶん、その先の月も売り上げはありますから。そうすれば、

いろんなものを経費として申告できますから、実際に払う税金はぐっと安くなりますからね。

ちなみに、さっき話した国民健康保険料や国民年金なんかは、支払い額をすべて経費として申告できますので、そのぶん税金が安くなりますよ。あと、開業にかかった費用というのは経費で申告できますので、売上がなくても領収書とか明細をとっておいたほうがよいです。

栗林

開業届以前は、どこまでさかのぼって経費として申告してよいかなんですけど、特に決まりはないんですよ。ですから、これは開業の準備にかかった費用、ということがきちんと言えれば、期間の定めはなく経費に入れることができます。

というわけで、そろそろ開業が近いなと思ったら、領収書とかを取っておくようにしましょう。

税務申告は青色申告にする

読者

税務申告を初めてやるのですが、何かポイントはありますか?

税務申告は、白色申告と青色申告があります。青色申告のほうが帳簿をきちんと整えなければいけないけど、税金は安くなるので、青色申告をしておきましょう。

あとでインボイスの話をするんですけど、今後はインボイスに登録して番号を取得しておかないと、ココナラとかから仕事をもらえなくなる可能性があるので、どちらにしても開業届と確定申告は避けて通れなくなるかな、と思います。今回は以上です。

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