【フリーランス経営哲学講座】#43会社を辞めるタイミング

読者

会社をやめてフリーランスになりたいのですが、勇気が出ません。会社を辞めるタイミングって、いつがいいんですか?

栗林

会社を辞めるかどうかで考えなければいけないのは、自分はどう生きていきたいのかという精神面と、現実の生活、という2つのことです。「どっちを先に考えるか」の優先順位が大切なので、詳しく話していきましょう。

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自分はどう生きていきたいのか考えましょう

精神面と、現実の生活で、どっちを先に考えるかというと、どう生きるのかという精神面なんです。

この人生を自分はどう生きていきたいのか、というおおざっぱな「設計図」を心に思い浮かべることです。実現できるかどうかはともかくとして、自分はこの人生を、こんな気持ちでこんなふうに生きていきたいんだ、という思いですね。

栗林

例えば、会社を辞めてフリーランスで生きていくと決めたなら、何の仕事をするのか、仕事スタイルはどんな風なのか、年収と休みはどれくらいなのか、とかですね。あ、話が少しそれるんですけど、最近フリーランスというのを勘違いしている人が多いことに気がつきました。

フリーランスって、技術と人脈があればなんとなるって勘違いしている人が多いんだね。

読者

技術と人脈があれば上手くいきそうですが、違うんですか?

技術と人脈だけだと、ただの下請けです

技術と人脈だけじゃ、相手に仕事の主導権を握られて安く使われるだけですから、ただの下請けと同じですよ。自分で仕事や価格の主導権を握らないと、自由な暮らしはできないです。たぶんね、下請けってどういうものか、知らないんですよね。

栗林

下請けって、品質と納期と価格を相手に一方的に決められて、まさか断らないよね、という感じで仕事を依頼されるんです。もし断ったら、次から仕事を依頼しないからね、そちらはすごく困るんじゃないの?って言われるのが下請けです。すごくイヤでしょ?

読者

フリーランスになっても、人間関係のストレスが多いのは嫌です。

でも、ビジネスのやり方を知らないと、フリーランスってこういう下請けみたいになっちゃうんですよ。

で、話を設計図に戻すと、フリーランスじゃなくて会社設立をして従業員を数人採用して中小企業でやっていくんだとかね。細かくなくていいですよ。だいたいのおおざっぱでいいんです。

会社をやめるなら、おおざっぱな設計図を先に考えましょう

で、自分はこんなふうに生きたい、というのをどうやって実現するのかを考えたときに、現実の生活と照らし合わせて、会社を辞めるタイミングが決まってくるわけです。だから、会社を辞めるタイミングをどうするか考えるなら、自分はこんなふうに生きていくんだ、というおおざっぱな設計図を先に考えなければならないです。

で、会社を辞めようかなと考える多くの人は、おおざっぱな設計図を考えるときに、今の会社や生活の嫌なところを思い浮かべて、そういうのがなくなったらいいなと思えるような設計図にします。

栗林

例えば、上司からの意味不明の業務を言われて、イヤイヤやらなきゃいけないというのがサラリーマンにはよくあるんですけど、そういう部分がなくなるような仕事っぷりを考えるわけです。あと、通勤時間が長いのは嫌だなぁとか。

つまり、上司から意味不明のやりたくないようなことを言われるからその部分は嫌だけど、それ以外はこれまで通り同じでいいと考えます。だって、嫌な部分だけ変わってくれればいいのであって、嫌じゃなければ変える必要はないですからね。というわけで、嫌な部分だけを取り除いたライフスタイルを、おおざっぱな設計図にしてしまうんですね。

読者

嫌な部分だけ取り除いたライフスタイルはダメなんですか?

嫌な部分だけを取り除いた設計図って、そもそも成立しないんですよ。世の中のすべてのことって、絶妙なバランスで成り立っています。プラスとマイナスががっちりかみ合っている状態です。

上手くいく設計図の作り方「上手くいっている人のマネ」

だから、マイナスの何かを取り除けば、必ず何か違うマイナスが発生したり、プラスも消滅したり変化したりします。だから、嫌な部分だけを取り除いて自分が予定していた設計図通りの生活には、絶対にならないんです。それじゃ、どうしたらミスのない設計図が作れるかというと、

上手くいっている人の設計図のマネをすることです。

栗林

うまくいっている人の設計図であれば、その人はうまくいっているんですから、自分もうまくいきますよ。東京でうまくいっているお蕎麦屋さんは、設計図が完全に一緒であれば、横浜でも埼玉でも間違いなくうまくいきます。

設計図で失敗する理由①オリジナル設計図を作ってしまう

みなさんが設計図で失敗する理由は、だいたい次の2つです。1つは、自分だけのオリジナル設計図を作ってしまうこと、もう1つは、キラキラと輝いている詐欺みたいな設計図に騙されてしまうこと、ですね。例えば、何ヶ月でウェブデザイナーになれるとか、何ヶ月で〇〇万円みたいなやつですね。

読者

「ママでも2ヶ月でウェブデザイナー」とか増えましたね。

オリジナル設計図が失敗する理由は簡単です。人は誰でも、私もそうなんですけど、そんな天才とかではありません。

だから、自分が考え付くようなことはすでに誰かがやっていて、上手くいっていないからこの世に存在しないんです。だから、自分が初めて考え付いたようなことは、失敗するんですね。すでに誰かがやっていて、うまく行っていればこの世に存在していますから、オリジナルなんてことはあり得ないんですね。

設計図で失敗する理由②キラキラ設計図に騙されてしまう

で、もうひとつのキラキラ設計図に騙されちゃうのは、今日こうやって参加してくれている人の中にも、きっといますよね(笑)。まあ、あれは、敵のうまさに脱帽というか、仕方ないかもしれません。

ここ2年ぐらいは、コロナで在宅ワークが注目されたこともあって、オンラインスクール業界全体がイケイケ状態でしたからね。

あと、キラキラってね、憧れと同じなんです。憧れって、自分にないからこそ憧れるんです。

憧れるっていうのは、自分の本質や特徴から外れてることがけっこう多いんですよ。

栗林

人って、自分の苦手なことで勝負すると失敗するし、得意なことで勝負したほうが成功しやすいですよね。でも、憧れるって、意外と自分に不向きだったり苦手だったりする分野が多いんですよ。だから、キラキラしてて憧れたら、ちょっと怪しいんですよ。

自分が本当に成功しそうな分野って、成功するのは普通のことって思えるから、そんなにキラキラ光っては見えないものなんですよ。だから、キラキラしていないやつを選びましょうね。これまでみなさん、安易にキラキラに飛びついて何度も失敗してきたでしょ(笑)。

だから、キラキラしていないのを検討すれば、外れを引く可能性は少なくなりますね。

1年分の生活費を貯金しておきましょう

次に現実の生活面なんですけど、会社を辞める前に1年分の生活費を貯金しておくようにしましょう。

読者

なんで1年分なんですか?

どんなに用意周到に準備しても、なぜかうまくいかないことってありますから。半年分の生活費でもギリギリOKだと思いますが、出来ることなら1年分は欲しいです。

栗林

ビジネスで失敗して大変だーって思っても、半年ぐらいあれば何とか生活を立て直せるものです。だから、半年分の生活費はマストなんですけど、生活費に加えてある程度の貯金があると、心に余裕が生まれます。心に余裕があると、人に優しくできるので不思議と人生がうまくいくんですよ。

だから、ゆとり貯金の分まで考えて、1年分くらいはあったほうがいいですね。あと、フリーランスとして始めてみると、想定外の出費が必要になることもあります。

あの有料ツールやシステムはあったほうがいいなとか、追加で勉強の教材を買ったほうがいいかなとか、いろいろ出てきます。だから、1年分くらいの生活費があったほうがいいと思いますよ。

半年分の生活費の重み知っていますか?

ちなみに、半年分の生活費を貯金できないという人もいます。こういう人はね、半年分の生活費の重みを知らないんですよ。毎月2万円しか貯金できないという人は、1年で24万円しか貯金できません。これは神様から、24万円の重みをわかってください、というメッセージなんですよ。

読者

24万円あれば、いろいろできますね。

栗林

その重みがわかると、24万円を超える貯金ができるようになりますよ。会社に勤めているとイヤなことがいっぱいあると思うんですけど、そのイヤなことをエネルギーに変えて、キラキラしていない普通の設計図を探してね、それから半年分から1年分の生活費を貯金してね、それから会社をやめましょうってことです。

今日は以上です。

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