【フリーランス経営哲学講座】#18 売り上げが下がってきたときの考え方

読者

フリーランスは良くも悪くも収入が安定しないイメージがあります。売り上げが上がった時はいいですが、下がってしまった時、どう対処すればいいのか分かりません。売り上げに精神状態を左右されない為の考え方はありますか?

栗林

フリーランスは軌道に乗っていくと、ある一定時期は毎月のように売り上げが上昇していきます。すると、この上り調子がずっと続くような気になってしまうが、ある時を境に下がり続けてしまって、売り上げが戻らなくなることがあります。このようなとき、精神的に焦ってしまうことが多いが、どのように対処したらよいかを考えてみましょう。

売り上げが下がって手を打つタイミング「2か月連続で客数減少」

売り上げが下がってきたときに、どのタイミングで手を打つかという基準なんですけど、

これは「2か月連続で客数が減少したとき」と覚えておいてください。

読者

客数は来てくれたお客さんですか?買ってくれたお客さんですか?

栗林

客数とは、注文してくれたお客さんの数のことです。売上金額とは、客数×客単価で決まります。この公式も、言われれば当たり前なんですけど、きちんと覚えておいてください。

でね、どうして売上金額ではなく、客数で判断するかというと、客単価が下がってもお客が自分のところに来てくれるということは、他にお客を取られてないってことだからです。いくら客単価が下がったといっても、まさか半額になるなんてことはなくて、せいぜい数%の下落ですよ。

客単価の下落は深刻にならなくていいです

あとね、客単価の下落は、お客さんが自分のところに来てくれてはいるから、お客とコミュニケーションを取って事情を聞いたりして、

いろいろ打つ手を思いつけるから、客単価の下落って、大企業でもない限りそこまで深刻にならなくていいんですよ。

栗林

でもね、客数の減少ってすごく真剣に捉えたほうがいいですよ。

読者

なんで「客単価の下落」より「客数の減少」を真剣に捉えた方がいいんですか?

客数が減少したってことは、お客がまるまるよそへ移動したってことです。

これはね、あなたのところでは不満だから、これからはよそで買いますね、ってことなんですよ。

客数減少は売り上げ0円になります

でね、こちらは、お客がうちの何が不満だったのかわからないまま、お客に逃げられたんです。原因もわからないまま、大好きな彼女に振られたのと同じなんです。それ大問題でしょ。

栗林

彼女ならね、まだ理由とか聞けるじゃん。あなたのこういうところが嫌になったとか、他に彼氏ができたとかさ。でね、逃げたお客って、こちらには1円も払ってくれませんよ。客単価の下落どころの騒ぎじゃないんです。

読者

客単価の下落は売り上げ0円になりにくいですが、客数の減少は売り上げ0円になるのですね。

問題は「売り上げ減少」ではなく、「売り上げ減少の原因が分からない事」

客数が減ったんですけど、あなたは何も変わっていません。これまでと同じように仕事をしていたはずです。

栗林

じゃあなんでお客が減ったのとかというと、よそがあなたより良い商品や良いサービスを提供したかもしれないし、値段を安くしたかもしれないし、派手な広告をうったのかもしれません。もしかしたら、不景気の波に飲まれているだけかもしれない。

あと、オープン当初ってとりあずお客がくるので、そういうボーナスステージが終わっただけかもしれない。ただの偶然か、気まぐれっていうこともありえます。というわけで様々な可能性があってね、

その原因も特定できないままだと、いつ、どのタイミングで手を打ったらいいのか、わからないんですよ。

読者

問題は売り上げが下がったことではなく、下がった原因が特定できないことですね。

客数減少が2か月続いたら原因を探ってください

でね、前にも言ったけど、原因の特定できない売り上げの小さな変動って、マーケットサイズが小さいと本当にあるんですよ。だから、1週間でもなく1ヵ月でもなく、2ヵ月連続で客数が減ったかどうかを判断基準にしてください、って言ってるんです。

マーケットサイズが小さいので、1週間や1ヵ月じゃ、判断する期間が短すぎるんですよ。かといって、3ヶ月は長いんです。さっきも言ったけど、客数が減るって、結構なおおごとなんですよ。

栗林

そのおおごとが、2か月連続で起きたとしたら、さすがに何かの原因を探ったほうがよいです。

転落するときは、あっという間だからね。

読者

何の保証もないフリーランスにとって客数の減少は怖いですね。普段から客数をしっかりとチェックします。

ネット広告経由で仕事を取ると客数減少の原因が分かりやすい

でね、客数が減った原因を探すときに、ネット広告経由で仕事をとっていると、分析がとてもやりやすいんですよ。アクセスが落ちたのか、コンバージョン率が下がったのか、問い合わせ数が減ったのかでは、意味合いが全然違います。

栗林

競合他社を調べるときも、自分のところのデータをきちんと理解してからみるのと、漠然と眺めるのでは、自分のところの何を直せばいいのかを分析する力が全然違いますから。

というわけで、2か月連続の客数が減少したら、原因を調査して分析して対策しなければならない、と覚えておいてください。

読者

広告経由だったらアクセスやコンバージョンなど数字で分かりますね。広告も勉強します!

現金の流出が止まらない時は売上増大より限界まで経費削減

あとね、売り上げの減少が止まらなくて、現金の流出がとまらなくてやばいな、というときがあります。商品やサービスそのものがお客に飽きられてしまって、業界全体が沈んでいくこともあるんですよ。

こういうときにね、何とかしなきゃと思って起死回生の策をうったり、焦って新しいことに手を出してしまうと、ほとんどまちがいなく失敗します。

こういうときはね、現金の出血を止めるべく、限界まで経費を下げることに専念します。

栗林

血をダラダラと流したまま、新しいことをやって成功するなんて無理ですよ。新しいことをやるのは、ケガが治って元気になってからです。こういうときはね、まず死なない状態にすることが最優先なんです。

読者

「バケツに穴が開いた状態で、いくら水を足しても水はたまらない」と似ていますね。

だから、今ぐらいに売り上げが下がっても損益分岐点を下回らないように、現金の出血が止まるまで、経費を下げる状態にしないといけないです。

フリーランスの現金出血No1は住宅ローン

栗林

でね、経費を限界まで下げようとしても、固定費が大きすぎてすぐに下がらない人がいるんですよ。フリーランスにとっては生活費も固定費ですから、生活費が重くのしかかると、現金の出血がとまらないです。

で、フリーランスの現金出血No1は、住宅ローンなんです。

住宅ローンって数千万円を何十年にわたって借金している状態だから、下げるに下げれないんですよ。住宅を売っても現金は全然回収できないしね。

読者

住宅ローンは大きな出血が何十年も続く状態なんですね。会社員時代に住宅を買って、フリーランスになった人は注意ですね。

豪華な家が欲しかったら賃貸にするか現金一括で買う

だから、フリーランスは住宅ローンはするな、って私はいつも言ってます。ホント、住宅ローンがあると追い詰められたときに生活が全部吹き飛んじゃうんだから。

栗林

豪華な家が欲しかったら、豪華な賃貸にするか、現金をしこたまため込んでから買いなさい、ってことです。

他にもね、車のローンとか、すぐに減らせないような支出は、持たないほうがいいです。フリーランスとして生きていくんなら、お金については死ぬまで戦場にいるようなつもりでいないとね。自由経済の世の中では、お金がないとすぐに退場させられちゃいますからね。

本日は以上です。

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