AIってすごいから「人間は考える力をなくしてしまって、ウェブデザインの仕事なんてみんなとられちゃって・・・」と思いますよね。でもね、そんな人工知能にも絶対にできないことがあるんです。今回はその話をしていきましょう。
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人工知能に絶対にできないこととは?
まず、人工知能って絵やイラストを描いたり、作曲して歌うこともできる、将棋とかチェスとかもできる、聞いたことは何でも応えてくれるという、めっちゃすごいものというイメージだと思うんです。
あまりにすごいから、人間は考える力をなくしてしまって、ウェブデザインの仕事なんてみんなとられちゃって、と思いますよね。でもね、そんな人工知能にも絶対にできないことがあるんです。
それは、、、ふなっしーみたいなものをオリジナルで生み出すことです。
ちなみに、ふなっしーってわかりますか?
千葉県船橋市の非公式キャラクターですよね。
そう、ふなっしーは、梨の妖精らしいんですよ。自治体は関係なく、個人でやっているそうです。
人工知能の仕組みとは?
人工知能の仕組みを簡単に説明すると、めちゃくちゃたくさんのデータ、すなわちビックデータの中から、それっぽいものを抽出して組み合わせて何かを生み出す、というものです。
やっていることは検索エンジンと同じなんです。検索エンジンは、大量のウェブサイトの中から検索者がもっとも欲しそうな情報が載っているウェブサイトを上位表示しますよね。
これに対してChatGPTは、お客が欲しがっている情報を大量のウェブサイトの中から探し出して、そのウェブサイトをそのまま見せるんじゃなくて、いくつかのウェブサイトの情報を整理してわかりやすく並べ替えて表示する、ということをやっています。
つまり、人工知能っていっても新たに何かを考え出しているわけじゃなく、既存のデータを組み替えて表示しているだけなんです。
かつて人工知能はまったく役に立たなかった
その昔、人工知能はまったく役に立ちませんでした。
それは、元となるデータの量が少なすぎたので、組み替えて表示したところで的外れだったんです。検索エンジンがどんなに優れていても、ウェブサイトが世界中に10個しかなかったら、使い物にならないのと同じなんです。
しかし現代は、あまりにも大量のデータがウェブ上に存在するようになったので、データをかき集めて組み替えればけっこうマトモになってきたので、実用性が出てきたんですね。
Webデザインの世界も、ウェブ上に素晴らしい画像データが大量にあるので、それらを集めてきて組み替えれば、人工知能に素晴らしいWebデザインが作れちゃう、ということなんです。
そして、あまりにも大量のデータを組み替えるので、オリジナリティがあるように見えてしまうと。だから著作権にも引っかからないんですね。
参照するデータの量が昔に比べて爆発的に増えたから、ChatGPTというのはいかにも人間が作業しているように見えるんですね。
Webデザインを仕事にしている人の未来はどうなる?
それじゃ、Webデザインを仕事にしている人の未来はどうなるんだということなんですけど、ただ単にきれいな画像を作るだけだったら、確かに仕事はなくなっていくでしょうね。
別にウェブデザイナーに限らず、ウェブ上にあるデータを組み替えればなんとかなる仕事は、すべて消滅する方向ですよね。
弁護士とかもそうですけど、どこかの教科書に載っている知識を代弁するだけなら、人工知能のほうが圧倒的に優秀で安いですから、とって代わられるのは時間の問題ですよね。
そんな人工知能の開発に反対運動の動きがあるんですけど、人工知能の浸透は絶対に止められないです。規制しても無駄です。人間は一度でも便利を知ってしまうと、元には戻れないんですよ。
人工知能の便利さには抗わずに、徹底的に利用した方が良さそうですね。
仕事を奪われそうな職業の人はどうする?
というわけで、人工知能の拡大は止められないので、仕事を奪われそうな職業の人はどうするんだーってことなんですけど、ここで最初に話したふなっしーですよ。
人工知能って、既存のデータをかき集めて最適解を作ることはできるんです。
でも、人間くささのあるちょっと間抜けというか、抜けてるような感じでおもしろい、みたいなものは作れないんですよ。もちろん、人工知能で間抜けなキャラクターは簡単に作れますよ。そういうことじゃなくて、発想としてふなっしーみたいなものを生み出す力がないってことなんですよ。
ふなっしーって、コンピューターアートではなく、いかにも人間が生み出した感がするんですよ。というわけでね、ウェブデザイナーもただひたすらキレイなものを生み出そうとするんじゃなくて、依頼してくるお客がアピールしたいであろう人間的な泥臭さというか、人間らしさを表現できるようなウェブデザインをやっていくことになると思います。人間って、完全じゃないんですよ。
その完全でない感じを、オーダーメイド的な感じで人間の手で表現していくことが、生き残る道になると思います。
確かに人間の不完全さって、よく映画とかドラマでテーマになりますけれど、人工知能が一番表現するのが難しい領域かもしれませんね!
「外車専門の修理工場のおっちゃん」からヒントを得る
例えば今、外車専門の修理工場ってものすごく増えたんですよ。
ベンツとかBMWの外車って、中古車は結構安いんです。でも、故障したら修理費が高そうって思ってみんな経験するんですけど、それはディーラーで修理するからバカ高いんであって、町の修理工場なら結構安くできるんです。
でも、町の修理工場ってあんまりオシャレじゃないし、ちょっとした倉庫みたいなので修理してるんですけど、ウデはすごく良いところが多かったりするんです。
こういう修理工場に、人工知能で作ったピカピカのグラフィックにどこかで習ったようなキャッチコピーを組み合わせても、なんか違うんですよ。そういうんじゃないんですよ、ここのお店は。でも、安いしウデは良いし、みんなすごく助かっているんです。
こういうのは、人間がこういう修理工場の泥臭さみたいなのを表現したほうがマッチするんですよ。個人の飲食店とか、個人の美容室とかも同じです。
小さく個人でやっているビジネスは人工知能の最適解じゃなくて人間がデザインしたほうが、味が出るんですよ。人工知能によって作られたオシャレなハイセンスは合わないんですよ。
たしかに、人工知能を使っていくらきれいなWebサイトが作れたとしても、それだけでは他の人が作るのと全部同じに見えてしまいますよね。
ということはね、ピカピカの大企業を相手にするようなウェブデザインの仕事こそ、人工知能にどんどん奪われていくけど、小さな個人の良さをアピールするのは、人工知能ではやりにくいんですよ。
こういうところに、フリーランスデザイナーの勝機があるかなと思っています。もちろん、フリーランスデザイナーも、仕事の効率化として人工知能はどんどん活用していくことになると思いますよ。
本日は以上です。
今年はChatGPTに代表されるように、様々な業界で人工知能が話題になっています。Webデザイナーなどの仕事は今後どうなるのでしょうか?