【フリーランス経営哲学講座】#59 仕事が取れるポートフォリオの作り方

読者

今フリーランスのWebデザイナーとして活動しているのですが、なかなか自分のポートフォリオ経由で仕事を得ることができず、いつまで経ってもクラウドソーシング経由で仕事を得ることに依存してしまっています。個人のWeb制作フリーランスは一体どんなポートフォリオを作れば依頼が増えるのでしょうか?

栗林

ポートフォリオの作り方って、フリーランスがもっとも悩むところなんですけど、その悩みどころってだいたい一緒なんです。今日はその話からスタートしていきましょう。

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ポートフォリオの作り方で悩む部分は結局みんな同じ

ポートフォリオの作り方って、フリーランスがもっとも悩むところなんですけど、その悩みどころってだいたい一緒なんです。

それはどこかと言うと、どこまでを仕事範囲にするか、ということなんです。

ああいうこともできるし、こういうこともできるけど、全部言うのは何か変だな、でもちょっとでも売り上げはあったほうがいいからどうしよう、という点で悩むわけです。

自分が飲食店をやっているとしたら、そのメニューに悩むのと同じです。自分はラーメン屋をやっているんだけど、たこ焼きも自信あるんだよな、でもラーメン屋でたこ焼売るのってなんか変だな、ってのはわかりますよね。

田舎にあるオシャレな洋風の喫茶店の貼り紙で「かつ丼始めました」「焼き魚定食あります」っていうのがあると、本当においしいのかなぁ、なんて思いますよね。

栗林

こういうところを、みなさん適当なカンでやっているから、いいんだか悪いんだかわからなくて、売り上げもパッとしなくて悩むわけです。

読者

たしかにひとりで活動していると、自分だけの感覚で物事を決めてしまいがちですよね。

「お客の立場で考える」ことがすべての始まり

で、こういうのをどうすればいいかというと、お客の立場からすべてを考えるようにすればいいわけです

喫茶店でかつ丼をだすというのは、自分がかつ丼を作れるから悩むわけです

栗林

この時点で、発想がお客じゃなくて自分なんです。ビジネスは、徹頭徹尾、お客の立場で考えるんです。

お客は「ここのお店でかつ丼を食べたいとは思わないよな」「洋風の喫茶店でお昼だからパスタとかサンドイッチとかを食べようと思ってた」とか思うんですよ。

そう思われたら、かつ丼は売れないわけです。もっと簡単な例を出すと、宝石とかの貴金属店で大根が売れるかっていったら、売れないですよね。どんなに商品が良くても、両方とも売れなくなるんですよ。

それじゃ、ここでいう「お客の立場」がパッパとわかるようになればいいんですけど、みなさんは自分が売る側になると、急にわからなくなるんですよ。

人間は誰でも、他人の欠点を見つけることに関しては天才なんですが、自分のビジネスの欠点となると急にわからなくなるというね。

お客の立場を分析する専門用語としては「TPOS」とかありますよ。お客が商品をいつ使うの?どこで使うの?どんな動機で使うの?ライフスタイルは?とかを考えるんですけど、生半可な知識でやるとほとんど間違えるんですよ。

読者

たしかに自分が売る側に立つと、どうしても客観的に分析ができなくなってしまいますね・・・。

まずは売れるポートフォリオを真似すること

どんな切り口で売っているのか、どこからどこまでを作業範囲としているか、価格設定はどうやっているのかとか、そういうのをマネすればいいんです。

売れているのには理由があるんですけど、素人はその理由を分析してもだいたい間違えるんです。

だから、独自で分析してオリジナリティーを出すとほとんど間違えます。オシャレなカフェでお好み焼きとか出しちゃうんですよ。ということは、ビジネスをするときは自分の実力に謙虚にならなきゃいけないってことですよ。

もちろん、ビジネスをちゃんと勉強するのが本筋なんですよ。10分程度の動画を見たり、Twitterの画像にもっともらしいことが書いてあってそういうのを見ただけで勉強した気になっている人が多いんですけど、それじゃ全然足りないんですよ。

でもまあ、無理を言っても仕方がないんで、マネをしましょうって話になるんですよ。

栗林

飲食店なんて簡単で、売れているお店とメニューをすべて一緒にすればいいんです。メニューはすべてネットで公開されているから、簡単ですよね。

読者

Webデザインではなくて、世の中の他のビジネスで置き換えると確かに真似するポイントがわかりやすいですね。

売れていそうなポートフォリオはどうやって探す?

栗林

マネをする話をすると、売れてそうなポートフォリオを見つけるのはどうしたらいいですかって質問が来るんですけど、これこそ自分で手間ひまをかけてあちこち探し回るんですよ。

たくさん検索したり、あちこちいろいろ出かけて探すんですよ。

売れている喫茶店で、かつ丼を出しているところはないですよ。だから、答えは目の前に転がっているんですよ。フリーランスって、開業前はいろいろ勉強する人って多いんですよ。

高いお金払ってセミナー行ったりスクールに入ったりとかもそうですよね。でも、いったん開業すると、急に何もしなくなるんです。

で、仕事が無いからSNSで発信するとかしてウロウロするんですけど、開業前ほどは頑張らないですよね。頑張り続けるのは開業前とか開業あととかそういうことじゃなくて、売り上げが出るまでやり続けなきゃいけないんです。

売り上げがたったら、自分のやってきたことが正しかったという証明であって、開業前だろうと開業後だろうと、売り上げが立たなかったら間違ってたってことなんですよ。

開業して売り上げが立たなかったら、すぐに改良しなきゃいけないのに、みんな何ヶ月もズルズル続けたり、思いつきで変なサービスを追加するんですけど、こうやってみんなおかしくなっていくわけですね。

読者

確かに仕事に対する自分のやりがいとか楽しさとかを優先してしまって、肝心の売上というところが後回しになってしまいがちになっていたかも・・・。

ポートフォリオで伝えるべき2つのポイント

栗林

ポートフォリオの作り方の話に戻るんですけど、ポートフォリオで伝えるべきことって究極は「何をやるか?」「いくらでやるか?」の2つだけですよ。

で、短い動画で価格政策の話を伝えきるのは不可能なので、今日は「何をやるか」の書き方の話だけします。

この「何をやるか」については、小学校6年生でもわかるような文章で書いてください、ということです。

なんか、こねくり回したようなポエムみたいなのとか、キャッチコピーをひねりすぎて何を言っているかわからないのとかあるんですよ。

うちの近所の国道沿いに「人生を変えたい奴はここに電話しろ」っていうナゾの看板があるんですけど、なんかもうサギにしか聞こえないでしょ。わけがわかんないけど、すごく気になったので調べたんですよ。そしたら、ホストクラブの求人広告でした。それじゃ、ダメでしょ。

読者

あまりひねりすぎて伝わらない内容にならないように、ポートフォリオの文言は注意しなければ・・・ですね。

でも、そういうひとりよがりの文章って、本当に多いんですよ。

というわけでね、まずは自分の仕事を小学6年生に説明できるような表現を考えてください。それから、ポートフォリオの文章を考えていくんですよ。それぐらい、かみ砕いてわかりやすく表現してくださいね、ってことです。

本日は以上です。

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