【フリーランス経営哲学講座】#50自分の強みと弱みを見分ける方法

読者

前回の「憧れの方向に進むと失敗する」というお話が印象的でした。強みと弱みを知る必要があると思うのですが、何か良い方法はありますか?

栗林

前回ね、自分の弱みを自分の主軸にしちゃいけないですよ、って話をしました。でも大人になると、お金を払うとみんな親切丁寧に接してくれるから、自分の弱みに気がつきにくいんですよ。

あと、自分の強みって、誰しもみんなわからないんですよ。ワクワクすることとか、楽しいことをすればいいっていう自己啓発もあるんですけど、自分にないものに憧れる、という失敗をしやすいんですよ。というわけで今日は、自分の強み、弱みを見分ける方法というのをお話します。

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人生の大失敗「自分の弱みを人生の主軸にする」

まずね、自分の強みと弱みのどちらを先に見つけるべきかというと、それは「弱み」です。今の日本って、よっぽどひどい大失敗をしなければ、人生がどうしようもなくなるってことはないんですよ。飢え死にとはないですからね。

で、よっぽどのひどい大失敗って、自分の弱みを人生の主軸にしちゃったときなんです。

読者

大失敗しないために、自分の弱みを知る必要がありますね。

だから、自分の弱みを知って、その弱みを人生の主軸から外すことが、強みをみつけるより大切なんです。

栗林

フリーランスとして生きていくなら、大成功を目指すより大失敗をしないほうを優先したほうがいいんです。大失敗をしないで長く生き残っていると、そのうちラッキーチャンスが巡ってきて、そのラッキーをポンとつかんで1回でもたくさん稼げば、あとは人生逃げ切れるんです。

だから、大失敗せずに生き残るほうが、よっぽど大事なんです。1発の大当たり狙うんじゃなくて、弱みを自分の主軸から外して大失敗を回避することをきちんと狙うんです。

自分の弱みを見つける方法「プラスの感情を全部捨てる」

というわけで自分の弱みを見つける方法なんですけど、まずは「楽しい」とか「うれしい」「すごい好き」とか、そういうプラスの感情を全部捨てて考えるようにします。

そういう自分の感情を判断基準にするから、自分の弱みを主軸にするという間違いをやってしまうんです。だから、判断基準としてプラスの感情をいったん全部捨てます。

読者

「好き」と「得意」の勘違いに気をつけます。

栗林

そのうえでね、仕事でも作業でもいいんですけど、はじめてやってみたときに、他の初心者の人と比べて「これはちょっとダメだな」とか「なんか自分はヘタだなぁ」と思ったやつは、だいたいハズレで、自分の弱みだったりします。

この感覚に気が付くことが、自分の弱みの見つけ方です。

講師の優しさが人生の大失敗に繋がる

このときにね、スクールとかで講師の人が「最初はみんなそういうものですから、ちゃんと続ければうまくなりますよ。」とか言うんですよ。こういうことを言われると、もうちょっと頑張ろうってなるんですけど、

この「もうちょっとがんばろう」という気持ちによって、「これはやめたほうがいいよ」という自分の直感がかき消されちゃうんですよ。

読者

講師が良かれと思って言ったことが、人生の大失敗につながってしまうんですね。

栗林

これでみんな、間違うわけです。こうやって、稼げもしない技術を習得するためのスクールに、多額のお金を突っ込んじゃうんです。講師の人は商売だからね、あなたはセンスないからやめたほうがいいですよ、とは絶対に言わないですよ。でもね、講師の人は気が付いてますよ、この人はセンスがいいなとか、この人は向いてないなとかね。

自分の感覚をすごく大事にしてください

いくらセンスがなくても、副業でちょっと稼ぎますとか、お小遣い稼ぎ程度なら、それでいいですよ。でも、人生の主軸にもってきたら、大失敗しますよ。

講師の人もね、生徒はお客さんですから、どんなに下手な人でも、進歩がみられたら褒めるわけですよ。人間て、基本的に褒められれば誰でもうれしいからね。で、そういう「うれしい」みたいな感情をエネルギーにして向いていない世界に突き進むと、大失敗するわけです。

読者

感情的ではなく論理的に進む世界を決めた方が良さそうですね。

だからね、

初めて取り組んだ時の感覚とか、他の初心者の人と自分を比べたときの自分の感覚を、すごく大事にしてほしいんですよ。

ここで得意だという感覚があれば大外れではないし、何か自分はヘタかもと感じたらだいたいハズレです。一番アテにならないのは、講師からの褒め言葉ですね。

栗林

商売ですし、言うはタダですから、いくらでも褒めてくれますよ。そういう講師からの評価に惑わされずに、自分で他の初心者と比べてみたときの感覚を、大事にしてくださいね。副業とかお小遣い稼ぎ程度なら、センスがなくてもなんでもいいですよ。ただ、人生の主軸にはもってこないでくださいね。

嫌いと苦手は全然一致しません

次にね、自分の弱み強みを考えるときに、今度は自分の「嫌い」という感情を捨てて判断してください。判断すべきは出来るかできないかであって、嫌いではないんです。なぜかというと、嫌いと苦手は、全然一致しないからです。

読者

「好き」と「得意」が一致しないのと一緒ですね。

さっきは「好き」という感情を捨ててくださいと言って、今度は嫌いという感情を捨ててくださいと言っているので、結局好きも嫌いも両方捨てるんですけど。これは順番がありまして、まず先に好きを捨てて大失敗をつかまないようにします。それから嫌いを捨てて、できるのに食わず嫌いを回避するんです。

栗林

これは、嫌いというものの中に、当たり前にできすぎて人から評価されなかったり、人の評価を受け取れなかったり、憧れに比べたら全然価値がないと思って、自分の主軸に持ってこないことがあるんですよ。

こういう嫌いの中には、他の人よりちょっとできるな、という感覚があったりするんですいけど、そういうやつは、だいたい当たりです。

「周りは大したことない」が得意の候補

こういうので、大失敗はまずないですね。例えば、フォトショでもプログラミングでもライティングでも何でもいいんですけど、初めてやったときに「意外と周りは大したことないな」っていうちょっとした自信みたいな、そういうことをふと思ったようなものは、とりあえず候補としてキープします。

憧れという感情に比べたら、当たり前にできすぎることって価値がないから取り組まない、ってひとは結構多いですよ。当たり前にできすぎることって、取り組んでも自己評価が上がらないんですよ。

読者

自己評価と他者評価が違うことって多いですよね。

栗林

あと、他の人もやってるから価値はないみたいに思うんですけど、ウェブデザインだってやってる人なんてめちゃくちゃたくさんいるよって。それなのに、ウェブデザインができると自分に価値があるって思えるのは、自分にないものだからです。

ちょっと人よりできることを仕事の主軸にする

自分にないものを手に入れると、人は自分の価値が上がったように感じるんですよ。それがまさに、憧れの正体なんですけどね。仕事選びになると、みんな急に「好きなことを仕事に」って考えるんですけど、それは仕事に期待しすぎですって。どんな仕事も作業の部分はあるんだから、多少の面倒はありますよ。

読者

面倒くささから逃げると、何もできないですよね。

でも、お金がもらえるからまあいいよね、って思えるから取り組めるわけです。ということはね、

好きとか嫌いという感情を外して、自分がすごい努力とかしなくてもちょっと人よりできることを、仕事の主軸にすればいいわけです。

栗林

当たり前にできることで、他の人よりちょっとできる程度のことって、意外と誰でもあるんですよ。ホントにあるんです。でも人は、そういうものに特別感を感じないから、嫌いとか興味ないという風にくくって、取り組まないんですよ。そういうものから目を背けて、特別な自分を求めたがるんですよ。

すごい努力が必要なものは弱みです

だから、好き嫌いを抜きにしてね、カッコイイとかイケてる感じとかも抜きにしてね、フラットに自分の能力を見てください。特別な自分である必要はないんです。

ちょびっと努力したら、他の人よりわりとできるかな程度のことが、実は自分の一番の強みなんです。大事だからもう1回言いますよ。ちょびっと努力したら、他の人よりわりとできるかな程度のこと、ホントその程度のことが、実は自分の一番の強みなんです。

読者

ちょびっと努力したら、わりとできることですね。私も強みを探してみます!

すごい努力をしなきゃいけない時点で、それはあなたの強みじゃなくて、むしろ弱みだったりしますから、気をつけてくださいね。今日は以上です。

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