【フリーランス経営哲学講座】#24ビジネスに運の良さは必要か?

読者

ビジネスで上手くいく人と上手くいかない人がいます。上手くいく人は運が良いとしか思えないくらい、トントン拍子で進んでいます。ビジネスで上手くいくには、運の良さが必要なのでしょうか?

栗林

すごく順調にうまくいく人は、周りから見ると運がいいように見えます。ただ、運を味方にするというのは、一体どういうことなのか?運が良くなければ成功するのは難しいのか?について考えてみましょう。

運の良さは必要ですが、黄色い財布は不必要です

栗林

ビジネスに運の良さは必要かどうかと言われれば、ものすごく必要です。運の良さがなくて成功するのはとても難しいです。なぜならビジネスの成功者は、みんな運が良いからです。運が悪くて成功した人がいたら、誰か教えてください、って感じですね。

読者

やっぱり必要なんですね。私も運を良くしたいのですが、何か方法はありますか?

だからね、運をよくする話とか、スピリッチュアルな話とか、怪しいセミナーとかビジネスとかが世の中にはいっぱい氾濫するわけですよ。引き寄せの法則とか、鏡の法則とか、何とかの法則とかいろいろあるよね。トイレ掃除するといいとかさ。

黄色い財布がいいとか、風水がどうとかあるけど、黄色い財布を使ってるお金持ちってみたことないですよ。実際、黄色い財布を使ってる人って、あんまりお金持ってないよね。

栗林

あとね、車のナンバープレートですごい人気があるのが、358なんだって。数字の358には不思議な力があるとかで、好んで使う人が多いらしいです。銀行の暗証番号に使ってる人も多いらしいです。これもスピリッチュアルだよね。

運=あなたの感想

でね、運ってなんですかって言われたら、私はね「それはあなたの感想」って答えます。例えばね、僕は〇〇さんと出会ったからチャンスをもらえて、それからこうこうこうなって成功しました、だから運が良いんです、って言ったとしますよ。

栗林

このときね、○○さんと出会って成功しました、って部分はただ事実を述べただけなんです。この事実に対して、その人は「運が良い」って感想を述べただけなんです。

読者

運が良いと思えば、その人は運が良いんですか?

わかりやすく言うと、運が良い、って事実はどこにも存在しないんです。

運が良いのも悪いのも、ただ事実があるだけ

その人が〇〇さんと出会って成功した、という事実があるだけなんです。その事実に対してその人は「運が良かった」という評価をくだしただけなんですよ。でね、そういう講演会を聞いてる人もね、その事実を聞いてね「それは運が良い」って感想を持っただけなんです。

栗林

それでね、運が良いって感想をもつためには、その人が〇〇さんと出会う、という事実が必要ですよね。じゃあね、○○さんに出会うために必要なことって何かっていったら、引き寄せの法則ですか?それともトイレ掃除するとか?黄色い財布?、どれも違いますよね。

みなさんちょっと考えてみてください、何が必要だったのか。

読者

トイレ掃除しなくても黄色い財布がなくても、〇〇さんと出会えそうですね。

答えはね、この世に生まれるところから〇〇さんに出会う直前までの、すべての事実が必要だった、ですよ。だってそうでしょ。もしかしたら、受験に失敗して違う高校や大学だったかもしれませんよ。

何かが欠けていたら、目の前の出来事は起きていない

それ以前に、本当は父親が転勤するはずだったのに、直前に父親の同僚が倒れて転勤が立ち消えになったかもしれません。あとね、自分の両親があと1年遅く出会ってたら、生まれるのが1年遅かったかもしれないでしょ。

栗林

ということはね、○○さんと出会うためには、自分の影響が及ばないところも含めてすべて必要だった、一つとして何かが欠けていたら〇〇さんと出会うことはなかった、ということなんですよ。

読者

「出会うために全てが必要だった」と考えると、感慨深いですね。

それなのにね、ほとんどの人は「〇〇さんと出会った」という事実だけを切り取って、そこの部分だけ運が良い、という感想を述べるんですよ。でもね、その感想を持つためには、それ以前のこともすべて含めて、自分が生まれる前のことも含めて、何もかもが必要なことだった、っていうことに気が付いてないですよね。

運が良い出来事も未来では運が悪い出来事になっている

あとね、運が良いっていう感想とか評価って、今の時点での話なんですよ。そのときはそう思ったというだけで、時間がたてば感想や評価っていくらでも変わるんです。

栗林

例えばショッピングセンターの駐車場がすごい込んでたけど、たまたま目の前の車が出ていってくれてすぐに駐車できて、すぐに買い物が終わったのでラッキーと思ってたら、帰り道で事故にあったとかね。あのとき、すんなり駐車できなくて時間がかかってたら事故に合わずに済んだのに、とかね。

だからね、運がいいっていうのは、その時点での感想や評価にすぎないものであって、感想や評価ってコロコロ変わるよ、ってことです。

「人に好かれる運の良さ」は努力で変えられる

栗林

じゃあね、運が良いっていう感想や評価を持つことに意味はあるのか?ってことなんだけど、これはとても大切で意味のあることなんです。だから一番最初に、運の良さはものすごく必要です、って言ったんですよ。

いろんな事実に対して「運が良い」って感想を持つということは、自分が成し遂げたことを「自分の実力じゃなくて運のせいだ」って言ってるのと同じことなんですよ。これっていわゆる「謙虚」ということなんです。謙虚な人って、すごく人から好かれるんですよ。いい奴ですよね。

反対にね、何でもかんでも全部オレの実力だ!って言ってる人って、嫌な奴だと思いませんか?そういう人って、威張ってるように見えるし、自分のすごさをやたら自慢してるように見えるから、みんなから嫌われるんですよ。そんな人と、一緒にいたくないでしょ。

読者

私も自慢する人よりも謙虚な人の方が好きですね。

「運が良い=人から好かれる」

でね、ビジネスで成功するのに、人との出会いってすごく大事なんですよ。やっぱりね、人との出会いからチャンスが転がり込んできたり、アイデアのヒントをもらうことってすごく多いんですよ。

このときね、自分がね、人から好かれるいい奴じゃないと、人から誘われないから人と出会う機会は減っちゃうし、出会っても嫌な奴と思われてるとあんまり話してもらえないから、チャンスに恵まれないんです。

読者

「自慢する嫌な人」から「謙虚な好かれる人」になれるなら、運の良さを信じた方がいいですね。

栗林

あとね、自分のことを「運が悪い」って言ってても、人から嫌われちゃうというか、人が遠ざかっていくので、人やチャンスに恵まれないです。だって運が悪いって自分で言ってる人と一緒にいても、楽しくないでしょ。人は楽しくない人と一緒にいたくないから、自然と人が遠ざかっていきます。

だからね、運がいいって評価とか感想を持つと、人に恵まれるようになって成功しやすくなるんです。

運を良くするのはトレーニングで可能

運って訓読みすると「はこぶ」でしょ。運はね、人が運んでくるんですよ。

栗林

でもね、毎日起きる出来事のすべてについて、運がいいって評価や感想を持つことって、すごく難しいんですよ。毎日の暮らしの中で、嫌なことってしょっちゅうあるでしょ。私もね、急いでるときに渋滞に巻き込まれるとイラっとするしね。

だからね、瞬間的に嫌なことがあっても運がいいと思えるような考え方をしたり、自分のすごさを相手にわからせてやろうと思っていばっちゃったりするのをしないようにするにはね、テクニックというかトレーニングみたいなことが必要なんですよ。ただ考え方を変えましょう、っていっても簡単にはできないんですよ。

だからね、引き寄せの法則だとかトイレ掃除しましょうとか、ありがとうって1日何回言いましょうとか、いろんなやり方が提案されるんですよ。でね、そういうのはどれも良いことばかりで悪いことではないですから、自分に合うなと思うことをやればいいわけですよ。だから、自分の好きなやり方をどんどんやって、いい奴と思われるような人になっちゃえばいいです。

読者

いろんなやり方があるんですね。私に合うやり方を探します!

運が良いだけでお金は手に入らない

こういう方法は昔からあるんですよ。鎌倉時代に浄土宗を開いた法然という人は、念仏さえ唱えれば極楽浄土に行けるって説いたんです。人はね、念仏唱えているときは悪いこと考えないし、気持ちもおだやかになるからいいよね、って考え出されたんです。法然はね、字の読めない庶民がどうやって救われるかを考えたんですよ。

あとは踊りながら念仏を唱える踊念仏とか、只管打座といって座って瞑想するのも、鎌倉時代から始まってます。ただね、こういう○○の法則とかスピリッチュアルなんとかってね、それだけで成功するなんてことは絶対にないですよ。

栗林

引き寄せの法則だけでお金が手に入るわけないじゃん。前提として実力がいるんだよ。実力をつけたうえで、運がいいって言うんだよ。

掃除する暇があったら売り上げ上げろ

昔ね、カー用品のイエローハットの社長がね、お店から駅までの道を毎日掃除してたの。でもね、経営不振で社長をクビになりました。すごい人格者だったんですよ。でも、クビになったんです。いくら掃除したって、売り上げも利益も上がらないの当たり前なんです。

掃除する暇があったら、経営者として次の一手を考えて実行しないとダメなんです。

あとね、たまにいるんだけど、すごい成功してて金持ってるんだけど嫌な奴。たまにいるんですよ。みんなに嫌われてるけど成功した金持ち。こういう人は、運の良さはどこいったって話なんだけど、実力でのし上がっただけです。ぶっちぎりの実力があれば、性格悪くてもビジネスは成功できますよ。

栗林

でもね、多くの人にとってぶっちぎりの実力をつけるって大変だから、運の良さを使って人に恵まれたほうが、ラクに成功できます。だからね、運の良いと思える考え方とか方法は、あまりお金をかけずに上手に活用していきましょう。

読者

どうせ成功するなら謙虚で人に好かれる運の良い人になりたいです!

ちなみにね、不思議という漢字は、思ってもいけないし議論してもいけないと書きます。不思議は、楽しむ程度ならいいんだけど、深入りしすぎちゃいけないよ、ってことです。崖から下を覗くときにね、身体の半分も乗り出したらがけ下に落っこちちゃうでしょ。

だから、身体のほとんどはこっち側に残して、頭だけちょっとのぞくぐらいがちょうどいいよね。ニハチの法則ってのがあって、不思議は2割ぐらいにとどめておいて、あとの8割は現実世界をしっかり生きる必要があるんですよ。

本日は以上です。

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