今日は伝え方のテクニックに関する話なんですけど、私自身、コミュニケーションの勉強とか、特にやったことないんですよ。
ライティングとか伝える技術のノウハウ本みたいなものも読んだことはあるんですけど「あー、知ってるわー」ぐらいの感じがほとんどなので、特に感動するほどのものはなかったんですよね。
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コミュニケーションに中身はありません
というわけで、自分にとっては当たり前すぎることを、もったいつけて話す機会があまりなかったので、伝え方のコツみたいなのを話すのって初めてかもしれません。ちょっと余談なんですけど、昔に比べると中身の薄っぺらい本がすごく増えたので、新しい本を読むことが減ってきたんですよ。
で、話し方とか雑談とかコミュニケーション系のノウハウ本ってすごく増えたんですけど、どれもこれもとにかく中身が薄いんですよね。これはね、著者が悪いんじゃなくて、話し方とかコミュ力って、もともとそんなに中身のある話じゃないから、内容を充実させるのが難しいんですよ。
コミュニケーションに悩んでいる人は多いと思うのですが、「中身のある話じゃない」はどういうことですか?
経済学とか地政学とかだったら中身は濃くなりますけど、コミュ力のノウハウだけだと中身が薄くなるのは仕方がないです。というわけで、今日の話は中身が薄めですみません。
大切なこと①「伝えたいことを1個に絞る」
伝え方で一番大切なことは何かというと、伝えたいことを1個に絞ってください、ということです。例えば、とある化粧品で名前が「○○」であったとします。で、この化粧品の良さをお客さんに伝えたいなと思ったときに、良いところはたくさんあると思うんです。
でも、たくさんあるすべて伝えようとするんじゃなくて、1個に絞ってその1個の良さを全力で伝えるようにしてください。人間は、新しい知識や概念を頭に取り入れるとき、その知識と特徴1つを関連付けて頭に定着させます。関連付ける特徴は、1つだけなんですよ。
伝えたい気持ちが強ければ強いほど、たくさん伝えようとしてしまいます。
さっきの化粧品でいうと、「○○」という化粧品は崩れにくい、とかです。特徴1つだけを商品名に結び付けて頭に定着させます。人間の脳は、何かの記憶を頭に定着させるとき、記憶を引き出しやすいようにわかりやすい手がかりを用意しておくんです。
政治のコミュニケーション成功事例
で、てがかりが3つも4つもあると、他のてがかりと混同してしまうので、1つに絞るんですよ。政治の世界でも、NHKから国民を守る党、とか言いたいことが一つだと覚えやすいでしょ。
NHKをぶっ壊すとかね。あれは、昔の小泉総理大臣が「自民党をぶっ壊す」というフレーズを流行らせたんですけど、それのマネなんですけどね。あと、アベノミクスとかもそうです。アベノミクスにはいろんな経済対策が含まれていたんですけど、安倍総理だからアベノミクスっていうふうに、1つに関連付けたんです。
関連付けが1つだと、みんな覚えているでしょ。でも、国民民主党が何を言ったかって、みんなほとんど覚えていないんです。これは、
伝えたいことをいろいろたくさん言ってしまったので、みんなの脳に関連付けができなくて伝わらなかったからなんです。
たくさん言えば言うほど伝わらないのは効率が悪いですね。
だから、脳に関連付けを発生させるために、伝えたいこと1個に絞るんです。
大衆を巻き込むコミュニケーション術
これは、セールスレターの原稿なんかでも同じです。是が非でも伝えたいことの1個を決めて、その1個だけについてありとあらゆることを語りつくすんですよ。どうしても伝えたい1つのことだから、本来はいくらでも語れるはずで、その語りが文章になると熱意が伝わって買ってくれるんですよ。
昔の小泉総理大臣だって、何をしたいのかよくわからなかったんですけど、自民党をぶっ壊すって連呼して熱意だけで大衆を巻き込んで大勝利したんです。
小泉総理大臣の演説、すごく記憶に残っています!
はるか昔のヒトラーだってそうです。何をしてくれるかわからなかったんですけど、強いドイツの復活だけを熱意で叫びまくって頂点に君臨しました。経済政策がどうとか、具体的なことは何も言ってないのに
1つのことだけを熱意で叫ぶと、人は期待してくれるんです。
それぐらい、1個に絞るということは、世界を制覇することもできるくらい、大切なことなんですよ。
大切なこと②「たとえ話を使う」
次に大事なことなんですけど、説明するときは必ずたとえ話を使う、ということです。私がいままでしていた話なんですけど、必ずたとえ話が入っていますよね。NHKがどうとか、自民党をぶっ壊すとか、ヒトラーとかね。
たとえ話というのは、伝えたいことをイメージさせやすくするうえに、証拠を提示されているような感じになるので、わかりやすさと納得のしやすさのダブルパンチになって効果的なんですよ。
人は、いくら理論を説明されても、具体例がないと理解しにくいです。人と言うのは、抽象概念から自分で具体的なイメージに落とし込むのが苦手です。だからサッカーで身体の動かし方を一生懸命に説明するよりも、動画で実際の動きをみせたほうが伝わりやすいです。
「ドリブルで骨盤を立てる」と説明されるだけでは、分からないですね。
論理の説明から現実を想像するのって、なかなか難しいんです。だから、具体例を示してやると理解しやすくて、理解しやすかったことは強く印象に残りますので、伝わりやすくなります。
相手に強い印象を残す方法
あと、具体例というのは証拠の意味合いもあるんですよ。過去にこういう例があったから、これも間違いないんですよ、って言われると説得力が増しますよね。
さっきも自民党をぶっ壊すとかヒトラーの例で話して、それは世界を制するほどすごいんだって話をすると、とてつもなくすごいことを、証拠を使って示されたのと同じことになるんですよ。こうやって圧倒的な証拠を示されて納得してしまったことって、とても強く印象に残ります。だから伝わりやすいんですよ。
具体的な証拠があったら、つい信じてしまいますね。
たとえ話の具体的な使い分けテクニック
たとえ話で大切なことは、どんなたとえ話を持ってくるかなんですよ。いくらわかりやすいたとえ話であっても、子供に伝えるみたいに太郎君と花子さんでは説得力がないんですよ。世界情勢の話とか、すごく大きなところからたとえ話をもってくると、すごいことのように聞こえてくるんです。
世界情勢の話をされると、頭がよく見えますね。
これは、当たり前の普通のことに説得力を持たせるときに、こうやって世界情勢のようなすごい大きなところから話をもってくるわけです。反対に物理とか数学とか、とても難解な話をするときは、太郎君と花子さんがリンゴとバナナを、みたいにとても簡単なところからたとえ話を持ってくるんです。
難しいと思うことを理解させるには、できるだけ簡単なたとえ話を持ってきます。逆に当たり前の普遍的なことを理解させるには、なるべく壮大なところから例え話をもってきて、すごいことのように思わせるわけですね。
説得力=知識×経験
このたとえ話のテクニックをうまく使うには、教養がとても大事なんです。いろんなことを幅広く知っている教養を身につけていると、たとえ話をポンポンといくらでも引っ張り出すことができます。
教養を多く身につけていると、臨機応変にいろんなたとえ話を作り出すことができます。教養が足りないと、しょぼいたとえ話しか作れないので、説得力も下がります。
というわけで、伝え方の技術ってテクニック本を読んだからすぐに上達するというわけではなくて、幅広い教養とか、一つにかける熱意とかが必要なんです。
もっと端的に言うと、説得力って知識量と経験に比例します。
説得力を高めるには知識と経験を積めばいいのですね!
コミュニケーションのテクニックなんて持っていなくても、豊富な知識と経験を持っているだけで、説得力って増すんですよ。というわけで、一朝一夕にはいかないですが、時間をかけていろいろ勉強していろんなことを経験しましょうってことです。今日は以上です。
全て一人でやるフリーランスは、営業やクライアントワークなどで伝え方は大切だと思います。より伝わりやすくするために意識することはありますか?