【フリーランス経営哲学講座】#39ブランディングとは何か ?

【動画】#39 ブランディングとは何か?

読者

「ビジネスはブランディングが大事」と、よく聞きます。ですが全くイメージが付きません。ブランディングは私にもできるのでしょうか?

栗林

あまりビジネスに慣れ親しんでこなかったフリーランスなりたての人は、「ブランディング」とか「ブランド」という言葉を聞くと”おしゃれなロゴや社名”とか、”海外の有名なバック”みたいなものを思い浮かべて実際に「ブランドとは何か?」ということについてあまり追求していない人が多いです。

なのでお客のビジネスに関わる上で、ブランディングという言葉の中身について改めて確認をしていきたいと思います。

ブランディングの始まり「見た目で分かる目印」

栗林

ブランディングはね、もともと家畜の焼き印から始まってるんだよね。牛や豚って見た目がみんな一緒だけど、エサとか育て方を変えると、肉質が違ってくるでしょ。だから、売りに出すときに、間違いなくうちの牛ですよ、ってわかるように焼き印したのね。

見た目だけだと品質の違いがわからないから、見た目でわかるように目印をつけたのが、ブランディングの始まりです。

読者

みんなの共通認識とかではなくて、本当に印だったんですね。

ヴィトンのブランディングは狙って作っていません

ヴィトンのバッグとかあるけど、あれってヴィトンのマークがなかったら、ただのバッグでしょ。でも、ヴィトンのバッグって、他より性能がいいとか使い勝手がいいとか、見た目じゃわからない性能の違いがあるそうです。私にはわからんけど。

そこで、ヴィトンはLVってマークを考えて、そのマークをつけて売るようになったら、すごく売れちゃって、売れると値段はどんどん高くなるから、高級品の代名詞みたくなっちゃったという感じですね。

高級品でブランドが確立していくにはね、最初から狙って作ったんじゃなくて、高品質の証明をロゴマークで示していたところ、高品質以上の価値が出ちゃって、値段が高騰して高級品になっちゃったという感じです。

読者

高品質以上の価値が出ちゃうって面白いですね。需要が激増したイメージです!

昔の高品質って、手間がかかるから大量生産に向いてないんだよね。でも、欲しい人が生産を上回るスピードで増えていくと、値段が上がっていきます。

栗林

今ね、ロレックスという腕時計は、値段が跳ね上がっちゃったんだよね。中国のお金持ちがこぞって欲しがるからなんだよね。私の持っているのも、私が買った時より倍くらいの値段で中古品が売られてるんだよね。売るつもりはないから関係ないけど、値上がりは素直にうれしいですよ。

ブランド品を持って好かれる人と嫌われる人の違い

こんなふうにね、特別感とか高級品というものに価値を見出すことを、心理学ではウェブレン効果っていいます。自己顕示欲を刺激するから売れる、ってことですね。

栗林

高級品を身につけて自己顕示欲を満たすことは、私はとても良いことだと思ってますよ。高級品を身につけて、嫌みなことを言うから嫌われるんであって、高級品を身につけてる人に優しいことを言われたら、すごく素敵な人だなって、人は思うんですよ。

読者

「何をつけるかじゃなくて、誰がつけるか」が大切ですね!

そうやって素敵な人って思われたら、高級品を身につけているその人だって幸せな気分になるでしょ。だから、じゃんじゃんやってください。嫌みなことを言ったら誰でも嫌われるけど、高級品ってパワーがあるから、身につけると嫌われるとか好かれるとかがパワーアップされるんですよ。

高級品はそういう感情の増幅装置だから、上手に使えば強力な武器になるし、下手に使えばすっごく嫌われるから、上手に使ってくださいね。

ブランディングの本が参考にならない理由

話をもとに戻すとね、トヨタ自動車がレクサスって高級ブランドを作って大成功したんだけど、あれは天下のトヨタ自動車だからできたんだよね。技術もサービスもマーケティングも、世界の一流どころの人材がゴロゴロいるんだもん。そりゃ狙って高級ブランド作れるよね。

栗林

ブランディングとどうやるか、みたいなマーケティングの本とかわりとたくさんあるんだけど、あんまり参考にならないかなと思います。再現性に乏しいというか、ブランディングがうまくいった話をあとから解説してるんだよね。だから、経営と違って再現性が乏しくて、2番煎じが成功しにくいんだよね。

読者

私も高級ブランドの作り方を教わっても、できる気がしません。

トヨタ自動車が上手くいったのは、資金も技術も人材も豊富だからね。普通の会社は、あんな資金も技術も人材も豊富にないから、難しいよ。

次世代のデザイナー・ブランディング・メソッド

栗林

ただね、これからはデジタル資産の時代がやってくるから、そうするとフリーランスデザイナーのウェブ上の作品も希少価値が出て、ブランドができるようになるかもしれない。

デジタル資産っていうのは、今まで誰でもコピペしてた画像に、牛さんへの焼き印みたいなデジタル証明をつけて、価値を保証しましょうっていうのが広まりつつあるよね。

これを、NFT、ノンファンジブルトークンっていうんだけど、ブロックチェーンの技術を使ってコピペで価値が暴落するのを防いだんだよね。今、仮想空間でそういう取引が行われているんだけど、一般にこの概念が普及するのはもう少し先かな、と思います。

スタバの快進撃からフリーランスが学べること

栗林

話が戻るんだけど、スタバでも最初はコーヒーが美味しい、から始まってるんだよ。コーヒーって、見た目真っ黒な液体で、飲んでみないと違いがわからないでしょ。だから、スタバのコーヒーは美味しいよって、ってことでスタバという屋号を前面に出しながら始まったんだよね。

で、スタバって世界中にお店があるんだけど、創業から17年間は、17店舗しかない、とある街でちょっとだけ有名なコーヒー屋さんだったんだよ。でも、18年目から快進撃を始めて世界中に広まったんだけど、スターバックスのイメージは17年間で17店舗のときと変わっていないです。

読者

世界トップクラスのスタバが昔と変わらないのは興味深いですね!

創業当時から、あのスタバのイメージのままですね。何が言いたいかというと、

フリーランスでも自分のイメージを固めておくと、もしかしたらデジタル資産のNFTが普及した時代になったときに、価値が高騰してばく進するかもしれませんよ。

ロレックスの価格が高騰したようにね。

バカ売れしたときのためにやっておきたいこと

だから、片岡デザインマーケティング、という屋号でずっと続けていると、いつかKDMとかいうブランドで爆発するかもしれない。というわけで、フリーランスの人の屋号は、いつかデジタル資産でバカ売れしたときのために、恥ずかしくない屋号をつけておいたほうがいいかもしれない。

間違って売れたときに、とんちんかんな屋号だとカッコ悪いでしょ。人生は何が起きるかわからないからね。

栗林

でも、そんなことはめったにないから、フリーランスにとって屋号なんて何でもいいよ、株式会社でも個人でもお客からみれば何の関係もないよ、ということをいつも言ってます。

本日は以上です。

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