【フリーランス経営哲学講座】#55どうすればお客さんから信用を得られるのか?

読者

フリーランスとしてお客さんからお金をいただくには、信用が欠かせないと思います。お客さんから信用を得るために意識するポイントはありますか?

栗林

一番初めにはっきり言うと、お客さんって、売り主の言うことはまったく信用しません。売り主が、いくら「品質は万全です」「納期は守ります」って言っても、まったく信じないんですよ。熱意とか、真剣さとか、まじめさとか、ほとんど影響しません。この前提を踏まえて、どんなポイントがあるか考えていきましょう。

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お客さんが物を買う時に信じるモノ

どうしてそこまでかたくなに売り主を信じないかと言うと、騙されて損をするのが怖いからです。人というのは、自分の頭で考えて判断して失敗すること、を極端に嫌います。自分で判断して失敗した場合、自分で自分にダメ出しすることになります。

人間って誰でも、失敗は他人のせいにしたいんです。だから、自分のせいになるような失敗は徹底的に避けたいので、売り主の言うことはとことん信じないんですよ。

読者

売り主を信じないなら、お客さんは買う時に何を考えているんですか?

栗林

じゃあ何を信じて買うかというと、売り主ではない「他の人の言うこと」を信じて買うんです。売主の言うことはあれほど信じないくせに、他の人が良かったよとか美味しかったよとか言うと、ホントすぐに信じちゃうんですよ。

それぐらい、売主の言うことは信用しないけど、他の人の言うことは信用される、ってことをまず覚えておいてくださいね。

10万年かけてDNAにしみついた同調圧力

で、人はどうしてこうも簡単に、他の人の言うことを信じちゃうかなんですけど、これはですね、ホモサピエンス10万年の歴史というのが関係しています。

われわれ人類はホモサピエンスっていう種族です。過去には他にもいろんな種族がいたんですけど、ホモサピエンスが他の種族をすべて駆逐してホモサピエンスだけが生き残りました。

栗林

このホモサピエンスなんですけど、実は数人から十数人単位のチームで狩りをしていました。この時代、一人だけで狩りをして生きていくことはすごく難しかったので、チームから離れたり追い出されたりすることは、死ぬことと同じだったんです。

だから、自分だけがチームのメンバーと違う行動してしまって追い出されることは絶対に嫌なので、いつも他の人と同じ行動をするというのが10万年かけてDNAレベルでしみついちゃったんです。

読者

10万年かけてDNAにしみついているなら、取り除くのは難しそうですね。

心理学で同調圧力という言葉があるんですけど、人間は自分だけが周囲と異なる行動をすると、ものすごい不安を感じてしまって周囲と同じ行動を取ろうとするんですね。これはもう、人間がホモサピエンスとして生きてきた歴史そのもの、みたいなものなんですよ。

人間が無条件に信じるモノ

というわけで、人間は仲間外れを極端に怖がるし、反対にみんなと同じだとメチャクチャ安心する生き物なんですよ。だから、他の人がいいよって言ったことを信じるのは、仲間外れを回避できるからなんです。みんなが良いって言っているのを自分だけが無視すると、乗り遅れて仲間外れになっちゃうんです。

それが嫌だから、みんなが良いって言ったものは、無条件に信じて安心しようとします。他の人の言うことを強く信じるかどうかの基準は、他の人の人数がどれだけ多いか、その数の多さです。数が多ければ多いほど、人はすぐに信用します。

読者

飲食店の前で並んでいる人が多ければ多いほど、つい自分も並びたくなってしまいますね。

栗林

あなたが地球は丸いと思うのは、世界中の人と同じでいたいからです。自分の計算によって地球の丸さを証明した人は、ほとんどいないんですよ。紙きれのお金に価値があるのは、たくさんの人がお金に価値があると信じているからですよ。大企業の商品を買って安心するのは、多くの人が買っているからです。

周りと一緒にする安心感

Amazonで商品を買うときに一番参考にするのは、他の人が買ったレビューですよね。行列をみるととりあえず並んだり、気になって後で調べるのもそうです。

人はとにかく、他の人がどうしたか気になる生き物なんですよ。

読者

自分の考えよりも、周りの意見を優先してしまうことが多いです。

駆け出しフリーランスとやらがSNSでつながりたがるのも、できるだけ多くの人と一緒だと安心するからです。

お客さんが信用するかどうかの判断基準

栗林

そこでフリーランスがお客さんからどうやって信頼されるかなんですけど、お客さんはフリーランスがいくら自分で何かを言っても、まったく信用しません。お客さんが一番気にするのは、他のお客さんがそのフリーランスに依頼してどう思ったか?です。つまり、評判とか実績ですよね。

お客さんは、他の人にも依頼されるようなフリーランスなら、自分も頼んでみようかなと思うわけです。ココナラでも、星の数の多い人に依頼が集まるでしょ。判断基準は、とにかく他の人なんですよ。

読者

実店舗でもAmazonでもココナラでも判断基準は全て他の人なんですね!

だから私はいつも、実績とお客様の声をたくさん掲載してください、って言い続けています。これに勝る信用はホントに何もないんですよ。それぐらい、他の人からの評価って大切なんです。

未経験フリーランスがお客さんから信用される方法

それじゃ、1件も実績がない人はどうしたらいいんですかってなるんですけど、サンプルを10個ぐらい掲載してください。この人に依頼したらこういうのができるんだって、お客さんはイメージがしやすくなるので、自信のある作品を10個サンプルとして掲載してください。

読者

実績ゼロでもサンプルがあれば頼みやすいですね!

栗林

そのうえで、現実の実績は友人とか知人を頼りに2,3件でいいので仕事をしてください。実際の実績って、当たり前ですけどお客さんの要望が反映されるので、あまり美しくないんですよ。素人の意見が入ると、美しさって半減します。でも、お客さんの要望だしお金をもらうんですから、それはそれでOKです。

事前に知っておきたい実績掲載の落とし穴

でも、無料で実績を積みましょうって言われて無料案件ばかりやってると、無料ってそもそも質の低い依頼が多いから、実績もショボイんですよ。本気でモノを売ろうとしている人は、無料のデザイナーに頼んだりはしません。無料のデザイナーに頼むような人って、商品のレベルが低かったり変な商品だったりいかがわしかったりします。だから、こういう無料の実績をいくら並べても効果はイマイチです。

それよりもむしろ、自信のある美しいサンプル10個と、お客様の声が3個ぐらいのほうが、効果があったりしますよ。

読者

質の低い実績をたくさん並べるよりも、美しいサンプル10個ですね!

栗林

あとは、売れている人って忙しいですから、暇そうな態度を見せないことですね。たとえ暇であっても、忙しそうにしているフリをすることは、フリーランスとして大切ですよ。お客さんは、暇そうな人に頼みたいって思いませんからね。

今日は以上です。

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