【フリーランス経営哲学講座】#19 嫌なお客とはどうやって付き合っていくべきか?

読者

フリーランスは会社の看板がない分、お客さんにナメられて無理な注文をされそうです。クレーマー気質など困ったお客さんと、どう付き合っていけばいいのですか?

栗林

フリーランスをしていると、いろんなお客がやってきて、その中にはすごく付き合いにくくて嫌なお客もいます。そういうお客は自分にとってすごいストレスになります。

手間の割にはお金もあまりもらえず、精神的に大きな負担となってしまうからですね。そこで、そういう嫌なお客とはどうやって付き合っていけばいいのかを考えていきましょう。

お客様は神様じゃなくて、まぶしいだけです

栗林

お客様は神様です、って言葉をはやらせたのは三波春夫って演歌歌手なんだけど、三波春夫が伝えたかった意図は本当は違うんですよ。

読者

「お客様は神様です」って言葉があるから、無理な注文をするお客さんが出てくるんですよね。本当はどんな意図だったんですか?

三波春夫はステージで歌う演歌歌手だから、自分にはたくさんのライトが当たってて、客席のほうを見るとすごくまぶしいんですよ。だから客席の方を見て歌うときは神に祈るような敬虔な気持ちで歌ってます、みたいなことを言ったら、それをマスコミが変な風に伝えて、お客様は神様です、になっちゃったの。

読者

「お客様の方はまぶしいです」と「お客様は神様です」って大違いですね。

「お客様は神様」は苦しみの始まり

三波春夫も、そんなつもりで言ったわけではないのでマスコミ報道にびっくりした、みたいなことを後日に話してるんだよね。

栗林

で、これ以降「お客様は神様です」って言葉が、日本の商売人を苦しめることになっちゃったんだよね。日本ではお金を受け取ることは汚いこと、みたいな価値観が残ってるから、この言葉で商売人はさらにへりくだってしまって、お客の方もすごく図に乗るようになってしまって。

無茶なクレームを言うお客もどんどん増えて、商売がやりにくくなったんだよね。

読者

仕事で横暴なお客さんがいるのは、これが始まりだったんですね。

嫌なお客との付き合い方「付き合わない」

今回の話は嫌なお客とはどうやってつきあっていくかってことなんだけど、

結論は「嫌なお客とは付き合わないでください」ってことです。

栗林

お客は神様でも何でもないですから、嫌いな人とはとっとと別れてください。

読者

え?お客さんが嫌だったら、とっとと別れていいんですか?

ビジネスにおける取引って、すべて対等関係です。上下関係なんてないですよ。こちらはこういう作業をしますから、対等な交換条件としてこれだけのお金をください、ってことでしょ。

お客もこちらも完全に対等で、対等な取引にお互いに納得したから、やりとりが成立したんです。

栗林

どこをどうみても上下関係なんてないですよ。ビジネスの原点は物々交換なんですよ。縄文時代は、肉と魚を物々交換してたの。交換するもの同士、どう考えても対等でしょ。

だけど物々交換って重くて不便だから、人類はお金というものを発明してね、お金でやりとりするようになっただけで、お金だろうがモノだろうが、交換する人同士は完全に対等ですよ。

お客さんは普通に扱ってください

読者

サービス業をやっていると、「嫌なお客さんでも丁寧に接しないと」と思っちゃいそうですね。

レストランやホテルとかで丁寧な接客を受けるのは、丁寧に扱われて気持ち良くなるってのも料金に含まれてるからやってるだけですよね。100円ショップやコンビニの買い物で丁寧に扱われることは料金に含まれてないし、スーパーの無人レジだってそうでしょ。

購入を検討しているお客に丁寧な説明をするのは、お金を払うお客を不安にさせないためだし、契約後は契約の範囲内で常識的な普通の対応をすればいいだけでしょ。

栗林

だからね、フリーランスよりお客のほうが偉いなんてことは、絶対にないんですよ。

嫌なお客との別れ方「自分から別れを告げる」

読者

普通の対応をしても、クレームを言ってくるお客さんっていますよね。困ったお客さんはどうやって対応すればいいんですか?

じゃあ、嫌なお客とはどうやって別れたらいいんですか?ってことなんだけど、自分から別れを告げればいいだけです。

あなたは契約外のことをたくさん要求されますので、こちらはご期待に応えることができませんから、お断りします、って言えばいいだけです。

栗林

嫌なお客って、最初に決めた取引内容を超える要求をしてくることがほとんどでしょ。ついでにあれもやってくれないとか。契約後に納期を早くしてくれとか。こちらが休日でも対応しろとか。あと、料金を値切ってくるとか、契約料金をきちんと払わないとか。

嫌なお客を断れない理由「契約内容をあいまいにして仕事を引き受ける」

でね、どうしてみなさんがこういう嫌なお客をきちんと断れないかっていうと、契約内容をあいまいにして仕事を引き受けるからなんですよ。契約内容があいまいだと、お客の言い分が正しいのか、こちらの言い分が正しいのか、わからなくなるんですよ。

栗林

でね、どっちの言い分が正しいのかわからなくなると、さっきのお客様は神様ですみたいな考えが頭に浮かんできて、お金をもらってる負い目もあって、嫌だなと思ってもお客の要望を聞いちゃうんですよ。こうやって、あなたにとって嫌なお客が出来上がるわけです。

読者

お金をもらっているからお客さんの方が偉いって思っちゃいますね。

嫌なお客を作り出しているのは自分自身

きついことを言われているように感じるかもしれないけど、

嫌なお客を作り出しているのは、あなた自身なんです。

ということはね、契約内容を明確にすればいいだけです。でもね、契約内容を細かく明確にしすぎると、お客はそもそも注文してくれません。お客から見ると、この人ごちゃごちゃいろいろ言って、こちらの言うことをやってくれないんじゃないかな、と思うわけです。

栗林

そもそもデザインを発注するお客側は、たとえば私なんかもそうなんだけど、デザインのことなんてなんにもわからないんですよ。だから専門用語を使って「あれは対応しません、これは対応できません」って最初に書いてあっても、何にもわからないですよ。

でね、わからないことがいっぱい書いてあると、不安になって注文できないです。

読者

専門用語ばかりの販売ページだったら、注文しにくいですよね。

返金保証をつければ嫌なお客を断れる

栗林

じゃあどうすればいいのってことなんだけど、こちらがお客のためにやれること、やれないことってのは、大雑把に提示するしかないんですよ。お客はシロウトだから、そこは仕方がないんです。

その代わりにね、こちらにとって不都合なことがあったら、作業完了前でもいつでもお金を全額返して契約を終了することができる、というふうに最初から契約しておけばいいんです。こうすればね、いつでも嫌なお客を断れるでしょ。

読者

嫌なお客だと分かったら返金して契約終了できますもんね。

お客からしてもね、作業が完了してなかったらお金を全額返してもらえるんっだって、安心感につながるんですよ。

こういう約束があると、お客も注文しやすいから、結果として依頼も増えるんです。

お互いが幸せになれる契約をしましょう

栗林

物事がうまくいかないときって、どちらか一方の利益を優先してしまって、どちらか一方ばかり損をしているってことが多いです。お客の都合ばかり聞いてしまってはこちらが苦しいし、自分の都合ばかり優先してしまうと、注文が入らないんですよ。

でね、こういうときは、両方にとって「それはいいね」っていう解決策がちゃんとあるんですよ。

今回の場合は、いつでもお金を全額返して契約を終了することができる、ですよね。これがあれば嫌なお客は途中でいつでも断れるし、お客の側も作業が完了してなければお金は全部かえってくる安心感があるから注文しやすくて、こちらも注文がうれしいと。

読者

納得できなければ、どちらも契約終了できるのは、すばらしいですね。

今日のお話はこんなところなんですけど、この方法は、お客に料金を前払いしてもらうことが大前提です。この前払いの大切さってのは、次回にお話しようと思ってます。

本日は以上です。

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