【フリーランス経営哲学講座 】#5 フリーランスに向いている人の特徴

読者

フリーランスに興味があるのですが、会社員をやめることに抵抗があります。私はフリーランスに向いているのでしょうか?

栗林

フリーランスになるには単なる知識やスキル以外にも、向き不向きや適性を考えることが必要です。そこでどのようなタイプの人間だったら、フリーランスになっても楽しく生きていけるのか、ご説明します。

あらゆる仕事がフリーランスを中心としたワーキングスタイルになっていきます

マーケットが大きくて内容がわかりやすいフリーランス、例えば英会話講師とかスポーツインストラクターとかね、そういうのは今後フリーランスというスタイルのみになっていき、労働者的な仕事スタイルは消滅していきます。

だから、向き不向きもなにもないです。あらゆる仕事がフリーランスを中心としたワーキングスタイルになっていくという、時代の流れになっているので、どんどん向き不向きを考えなくてよくなっていきます。

たぶん今日の話はそういうフリーランスじゃなくて、仕事内容がわかりにくい、マニアックなフリーランスのことだよね。仕事をみつけるのに労力が必要なフリーランスというか。

フリーランスとして特殊技能で生き抜く

ウェブデザインとか、いわゆる特殊技能を売りにしたフリーランスなんだけど、こういうのは、まず自分一人で生き抜く覚悟があることですね。

特殊技能というのはマーケットが小さいのが特徴で(欲しがる人が少ないってことです)、マーケットが小さいということは、仕事をする人そのものの数も少ない、つまり同業者も少ないってことです。少ないお客を、少ない同業者で奪い合う世界ですね。ということは、同業者と仲良しこよしをしている間に、少ないお客をサッサと他にとられます。

のんびり他人と歩調を合わせていると、お客は残ってないから仕事ないですよ。

読者

マーケットの大きい仕事は、フリーランスで出来ないんですか?

マーケットが大きくてわかりやすい仕事というのは、競合他社も多いけどお客も多いから、同業者と連携して攻めていったほうが有利なことがよくあります。ただマーケットが小さいときは、同業者と分け合っちゃうと自分の取り分が大きく減るし、もたもたしてるとすぐに他にお客を取られます。だから、自分一人だけサッサと勝ち抜くぞ、って人が成功します。

ネット世界で特殊技能を使って食っていく

あと、ネット世界の特殊技能って、長持ちしないです。日本でスマホが普及する前はガラケーが全盛でした。このときはiモードってのが流行って、ガラケーサイトをいかに上手に作るかってのがあって、すごい大きな商売になってたんだけど、完全に消滅したでしょ。他にもネットの世界で消えた特殊技術って山のようにあるんだよね。その昔は、企業にインターネットを導入したり、ホームページが作れるって技術だけで大企業ができたんだよ。

ということは、自分の持ってるウェブ上で発揮する特殊技能は、10年たたないうちに消えますよってことです。今、自分が学んでいる特殊技能が10年たって不要です、って言われたらあなたどうしますか?

読者

頑張って勉強してるのに、ちょっと残念…。特殊技能が不要と言われたら、どうすればいいんですか?

栗林

ようはね、10年後は違うことで稼げそうなことをやってればいいんです。そうすれば生きていけるから。

周りより少し頑張る人がフリーランスになれる

じゃあ10年後は何をやったらいいんですかって、それを探すことが好きな人がフリーランスに向いてます。時代の流れを読みながら生きていくことが好きな人が向いてますね。時代の流れを読むってすごいことのように思うけど、そんなにすごくないですよ。少し勉強して少し考える程度で十分です。サラリーマンになるとね、その少しすらやらないんですよ。だから、その少しというのを、死ぬまでやり続ければいいんですよ。

考えるだけで勉強しないってのは、ダメなんですよ。考えるためには、頭の中に材料が入ってないとダメなんです。材料無しで考えても、ロクなものが出てこないからね。新しいビジネスとか、新しい技術やサービスを少しだけ勉強すれば、考えられるようになるから。

腕一本で食べていける時代ではありません

読者

でも頑張っているのに稼げていないフリーランスの人いますよね?知り合いのエンジニアさん腕はいいのに、仕事ないって言ってた…

栗林

だからね、腕一本で食べてくっていうのは、なまけてるんですよ。腕だけ鍛えて、生き残れるわけないじゃん。少しの勉強と少しの考えすらしないなんて、そんなんだと世間から退場させられるよ。

あと、料理とか美容とかって、習得に時間がかかるんですよ。そして、習得に時間がかかるものは、なかなかすたれないです。江戸から続く秘伝の味とかって、なかなかすたれないでしょ。でもね、楽して短期間で身についた技術は、すぐにすたれるよ。自分がすぐに習得できた技術は、他の人でもすぐに習得できるよ。だからね、自分の持ってる技術はすぐに追いつかれると思って、追いつかれないように次々と改良を重ねていくってことが大事ですね。自分だけは追いつかれないって、みんな勘違いして生きてるから。でね、時間がたつと本当に追いつかれて、あぁ、勘違いだったって、みんな気がつくよ。

本日は以上です。

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