昨今のフリーランス人気の高まりで、フリーランスという言葉がひとり歩きしてしまって、「自由」や「在宅」といったイメージが先行した結果、具体的にどのような働き方なのか調べたり考えないまま会社をいきなり辞めてしまう人も多いです。なので今日は改めて「フリーランス」という働き方の中身を再確認していきましょう。
フリーランスとは「組織に所属せず、仕事の決定権が自分にある人」のこと
フリーランスというのは、ものすごく簡単に言えば、「組織に所属せず、仕事の決定権が自分にある人」のことです。
例えば、美容師とか料理人とかでお店や会社に所属するのではなく、複数の店舗から、頼まれたときだけそのお店に仕事に行く。スポーツインストラクターとか、エステティシャンとか、英会話講師とか、いろいろ。インストラクター系はフリーランスが多いよ。要は教える仕事ね。予約が入ったときだけ仕事して1回とか1日とかで1万円から2万円ぐらい稼ぐ感じかな。
たしかに、私みたいなフリーランスのWebデザイナーだけではなくて、世の中で自分のカフェやラーメン屋など店舗を持っていたり、個人で英会話教室などを開いている人は、みんなフリーランス=個人事業主に該当しますね。
今後、フリーランスという働き方は確実に増加する
そして、私はこの先もフリーランスという働き方は確実に増加すると見ています。
フリーランスとして、1日とかで1万円から2万円ぐらい稼ける感じなら、およそ月収30万円ぐらいになる。
で、ここでのポイントは、月収30万円ぐらいあれば、今の私たちはまあまあの暮らしができて貧しさを感じないということ。
だから、昔みたいに出世しようとか、金持ちになろうとか、そういう人はどんどん減っているんですね。
少し話が逸れるけど、基本的に資本主義社会ではすべてのものは安さに向かいます。
経済が発展していくと、戦争や貧困といった生活を脅かすような危機も減って、人々の暮らしぶりは大きく向上していきます。つまり安くて質の良いものがたくさん手に入るようになる。
例えば月額1,000円払えば、サブスクリプションでコンテンツ見放題って、10年前に比べたら天国だよ。
そんな風にどんどん商品やサービスの価格は下がっているし、そもそも大きな戦争でも起きない限り物価上昇なんて起きないしね。
つまり、今はそこそこの労働でそこそこの暮らしができる時代になったから、それで満足できる人がほとんどになっているというわけ。
ライフスタイルに合わせて仕事量を自由に調整できるのがフリーランス
で、話を戻すんだけど、結局フリーランスというのは、例えば「来月は新型アイフォンを買いたいから今月は仕事増やそう」とか、「今月下旬は旅行に行くから仕事減らそう」とか、そんな風に仕事量を自由に選択できる人のこと。
収入が40万円の月もあれば20万円の月もあるけど、それをライフスタイルにあわせて自分で選択できる。結婚して子供ができたから収入増やそうとかね。
もちそんフリーランス月収30万円で夫1人で妻と子供2人を養うのは難しいけど、共稼ぎだと世帯月収60万円になるので十分可能。日本だとあまりフリーランス夫婦の共働きは浸透していないけど、例えばアメリカでは世帯の70%が共稼ぎ。だからベビーシッターがものすごく普及している。
世帯月収60万円あれば、子どもが二人いても大丈夫。やっていけるでしょ。
企業の経営者側としても、フリーランスは契約解除が簡単にできるから、リスク回避には最適なので大歓迎なの。高い報酬を払ってでも、労働者を雇うより安心して経営できる。だから、今後はフリーランス的な雇用形態や働き方はどんどん増えていきます。
フリーランスで働くのは確かにリスクを伴いますが、やはり自分で仕事量を調整できるというのは、人生においてこれ以上ない魅力ですね・・・!
もちろん月収30万円だと社会保険など考えた時に厳しい面もあるけれど、それでも今の時代は質の高いものが安く手に入るので、それなりに幸せに暮らしていくことは十分できますね。
「昔のフリーランス」と「今のフリーランス」の違いって何?
昔のフリーランスは特殊技能を持っていて、人脈で単発の仕事を受ける人って感じでした。
だから人数がとても少なかったよね。あとネットがないから、特殊技能は人脈以外で仕事を取る方法がなかった。特殊技能はマーケットが小さすぎるので、チラシとか新聞雑誌広告とかテレビCMという方法が使えないからね。
昔の広告って上に挙げたような種類しかなかったし、小さいマーケットを成立させるには人脈(つまり営業)しか方法がないから、すごく苦しかった。でも、今はネットがあるから、小さいマーケットでも仕事が取れるようになった。これは昔と今のフリーランスで決定的に異なる部分ですね。
さっきからマーケットって言葉を使ちゃってるんだけど、マーケットって簡単に言うと、そのものを買ってくれる人の存在のことね。
例えば牛肉が食べたいって人が多くいると思うんだけど、これが牛肉のマーケットです。豚肉を欲しがる人の集まりを豚肉のマーケットといいます。牛肉と豚肉のどちらのほうが欲しがっている人が多いかというと、日本は豚肉のほうが多くて、牛肉の1.5倍です。これをマーケットが1.5倍大きいといいます。
で、特殊技能は欲しがってる人がほとんどいないから、マーケットが小さいってことです。欲しがってる人が少ないものは、ネット以外で売るのは難しいよってことですね。
話を昔のフリーランスと今のフリーランスに戻すと、世の中が豊かになったから、昔のフリーランスと違って今のフリーランスはオシャレとかインストラクターとか、文化的な仕事が多いです。人は豊かになると、文化の程度が上昇するからね。
フリーランスに仕事がこないのは、単に誰にも存在を知られていないから
デザインのフリーランスの話をするんだけど、デザインは特殊技能だけど文化程度は高い仕事だし、企業としてもデザイナーを労働者として雇うなんてリスクが高すぎるから、フリーランスにどんどん外注します。
そして、外注先はネットで見つけられる時代だから、外注先として自分を見つけてもらえたら、仕事はどんどんきますよね。
ということは、仕事がないということは、その人に技術がないからじゃなくて、仕事を頼みたい人から存在を知られていない、ただそれだけです。
仕事が来ないという人は、今やっていることが間違っている、ということです。間違えたまま、ずっと同じことを繰り返してるから、何も変わらないです。
SNSでちまちまアピールしてれば仕事が来ると思ってる人は、ずっと近所の公園を散歩してるのと同じですね。公園の散歩から抜け出す方法は、いろんなとこでお話していきます。
本日は以上です。
みんなフリーランス、フリーランスって言うけれど、よくよく考えてみると「自由に好きな場所で働ける」とか「在宅で好きな時間に働ける」みたいな曖昧なイメージしか持っていない自分に気がつきました。実際にフリーランスというのはどういう働き方なのでしょうか?