【フリーランス経営哲学講座】#31人に仕事をうまく任せるコツは?

読者

デザインは得意なのですが、コーディングに時間がかかってしまいます。クラウドソーシングでコーディングを人に任せようと思うのですが、コツがあれば教えていただけますか?

栗林

フリーランスとして個人で働いていても、例えばデザインなどはクラウドワークスで外注したりするなど、積極的に人に任せることも大切です。

ただ、片岡さんもそうだがなかなか人に任せることが面倒に感じて、結局自分で全部やった方が早いという考えになりがちです。そこで経営者として人を雇っていた頃の話などを参考に、人に仕事を任せる上でのコツだったり、当時考えていたことをお話ししましょう。

外注先の利益が出る理由「あなたと違う作業手順でやる」

まずね、みなさんの考える外注じゃなくて、世間一般の外注についてお話します。仕事を外注に出したほうがいいかを考えるときに、外注先だって利益を出さなくちゃいけない、という視点で考えてみるといいですよ。

栗林

だって、あなたと同じ作業手順でやってたら、たいして利益出ませんよね。あなただって、自分でやると時間ばかり使って利益を圧迫する、もっと他のことをやったら利益が出ると思うから、外注するんですよね。

読者

おっしゃる通りですね。外注さんはどうやって利益を出しているんでしょうか?

外注先は、あなたと違う作業手順でやるから、利益が出るんです。例えばね、ポスターとかチラシを1000枚も印刷する作業があるとすると、その外注先は印刷専用の大型機械を使って短時間で大量に印刷できるから、時間を短縮できるので利益が出せるっていうことですよね。

他にはね、作家が外注するゴーストライターとか、みなさんがやっているLP制作なんかも、お客から見たら外注ですよね。自分で文章書いたりLPを作ってみるよりも、お金払ってプロに任せたほうが短時間で良いものができると思うから、外注するわけですよ。

人に任せるヒントは世の中に転がっている

ということはですよ、単純作業であれ高度な技術が必要な作業であれ、あなたより短い時間でその作業ができるから、外注先は利益がでるわけです。短い時間でやるには、機械による自動化だったり、高い技術力が必要なわけですから、外注先はそういうものを持っている、ということになります。

自動車会社とか製造業が下請けに外注するのは、とある規格の部品を作るために自社工場内に新たな製造ラインを置くと、すごいコストがかかるからなんですよ。だから、似たような規格の部品を作っているところに外注すると、自社で作るより安くできるから頼むわけです。

栗林

下請け会社も、似たような規格の製造ラインをすでに持っているから、少し規格を変えるだけで製造できるので、仕事を受けるメリットがあるわけです。

読者

そう考えるとマクドナルドもケンタッキーも回転寿司も外注ですね。食べ物ばっかり 笑

外注を受ける側のメリットを徹底的に考える

栗林

でね、皆さんの悩みって、自分にとって面倒なデザイン作業のある部分の何かを外注して、うまいこと楽できないかなぁ、っていうことですよね。そこで考えてみてほしいんですけど、外注を受ける側って、どんなメリットがありますか?

専用機械とか特殊技術があるから短い時間でできるとか高品質でできるので、外注や下請けとして仕事を受けて利益を出せるとか?そういうのが、何か思いつきますか?

読者

私が頼もうとしているコーディングは、専用機械や特殊技術は特にないですね。あまり思いつかないです。

たぶん、何もないですよね。みなさんが考える外注先って、仕事を獲得する能力はないけど、ちょっとしたデザイン作業ができて暇そうにしてる人、仕事がないから安くても仕事をやってくれそうな人、みたいな感じじゃないですかね。

別にね、そういう人が外注先として良くないと言っているわけじゃないんじゃないです。ただね、まっとうな会社とか個人事業主に外注する、いわゆるビジネス的な外注とは違うんだ、という意識をもってくださいね。

デザインの外注を頼む理由は安いから

栗林

あ、ちょっと考えてみてほしいんですけど、デザインじゃなくてね、例えば家のリフォームとかベビーシッターとか何かを、安いけど人気なさそうで宣伝が下手で暇そうにしている名もなき個人事業主に頼もうと思いますか?たぶん頼まないですよね。

トラブったり失敗されるといやだから、もっとマトモそうなところに頼みませんか?

読者

家を汚されたり子どもに何かあったりしたら嫌なので、頼まないです。

でね、自分の家のリフォームとかベビーシッターとかは、仕事が取れなくて暇そうなところには頼まないけど、デザイン作業の外注だと、そういうところに頼むわけです。

頼む理由は、安いからでしょ。その一点だけだよね。別にね、そういうところに外注するのが良くないって言ってるんじゃないです。

安くやってもらいたいなら中学生に頼んでください

自由経済の原則通りでね、暇そうで安いところは品質が悪いから、それを承知で外注してるかどうかです。自由経済の原則通りなら、暇そうで高いか、忙しそうで安いかだよね。

栗林

暇そうで安いってことは、値段を下げても売れないんだから、よっぽど下手で品質悪いんですよ。安いけど、下手で品質が悪いところに外注するんだから、こちらが求める水準を相当下げないといけないですよね。品質はもちろんのこと、納期とか、こちらの要望をいかに伝えるかってとこも、工夫が必要です。

読者

安くやってもらいたいなら、安い分こちらも工夫しないといけませんね。

感覚的にはね、中学校1年生に仕事を依頼する、ぐらいの気持ちで伝えたほうが良いですし、期待する内容もその程度にしないといけないですよね。

ちゃんと外注する方法「仲間や友だちにしたい相手を選ぶ」

じゃあ、デザイン作業の外注なんて全然ダメじゃん、とか思うでしょうけど、そんなことはないです。ちゃんと外注する方法はあります。その方法はですね、

外注する相手を、自分が仲間とか友達にしたいような相手を選ぶことです。

読者

「長期的に付き合える人と仕事をする」っていうことでしょうか?

外注を受ける相手には、料金に加えて、その人にとって将来役に立つような知識とか技術を提供してあげてください。

栗林

例えて言うとね、料理人とかお笑い芸人とかが弟子入りするような感じです。弟子入りって、お給料はもらえるけど、ものすごく安いよね。それでも弟子入りしてる理由は、お給料以上にその師匠から学べる事があるんだよね。で、お弟子さんも、学べることを学んで独立できるようになったら独立するでしょ。

ネットだけで外注先は見つかりません

あれって、師匠にも弟子にも、メリットがあるから成立するんだよね。そんな感じなら、デザイン作業の外注もできるようになります。

つまりね、ネットだけで外注先を探してたってうまくいかないってことですよ。

何らのコミュニティでつながって、その中から師弟関係ができそうな相手をみつけて、外注していくんです。

栗林

やる気のある弟子はね、師匠と時間を共有するだけで学べることがあります。で、そういう弟子は伸びるからね。すぐに実力がついてくるから、頼みやすくなるよ。

読者

お金の代わりに成長や経験を提供してあげるんですね。

外注先を使い捨てる感覚だと、うまくいかないです。

外注として使いながらうまく育てていくんです。で、育てられている側も感謝している、という関係です。

フリーランスはブロックチェーンを目指してください

やがて、その弟子が育っていったら、ライバルじゃなくてビジネスパートナーになっていきます。それだけ分かり合えた間柄なら、仕事の共有もスムーズなんです。師匠と弟子だからって、いつも顔を突き合わせてる必要はないです。普段はオンライン上のやり取りで、たまにリアルで会うぐらいでじゅうぶんです。

栗林

こういうフリーランス仲間が増えてつながっていくと、いつか話したブロックチェーンになるんですよ。これからフリーランスが目指す先は、ブロックチェーンなんですよ。

本日は以上です。

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