【フリーランス経営哲学講座】#47習慣を変える方法

読者

人は習慣の生き物だと聞きました。活躍できるフリーランスの習慣に変えたいのですが、習慣を変えるポイントはありますか?

栗林

今日は習慣を変える方法ということなんですけど、変える方法というぐらいだから、良くない習慣を変えたいということなんだよね、たぶん。

例えば寝る前のお酒辞めたいけどやめられないとか、ダイエットしたいけどお菓子をやめられないとか、あとSNSでいいねの数を気にしたくないけど、つい気になって見ちゃうとか、そういう話ですよね。

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先天性の習慣は存在しない

まずはじめに、そもそも習慣って何かというと、乳幼児に習慣ってないんですよ。生まれた直後から習慣がある人なんていなくて、大人になる過程において、習慣が出来上がるんですよ。

つまり、先天性の習慣なんて存在しなくて、すべて自分で作った後付けのものなんです。

読者

習慣を自分で作れるなら夢が広がりますね。

栗林

習慣が作られるには、実はある程度の知的能力が必要なので、あまり子供のうちには作られないんですよね。習慣が作られるメカニズムなんですけど、これは人間の脳の仕組みが影響しています。

人が感情で決断する仕組み

ものすごく簡単に説明するんですけど、脳は、横に輪切りのような感じで大きく3つに分かれています。下から順番に説明すると、一番下には呼吸とか心臓とかを自動でコントロールする機能があります。真ん中には、感情と記憶を扱う機能があります。

一番上は、論理的に考える機能があるんですね。で、習慣が作られる前は、まずはじめに脳の一番上と2番目のところで一緒に、どのように行動するべきかっていうのを、論理と感情をごちゃ混ぜにして考えるんです。

栗林

仕事で嫌なことあったけど、なんであの取引先はあんなこと言うのかなぁとか、また明日あの作業するの面倒だなぁとか、やってられんわ~とか考えていて、気分がスッキリしないからお酒でも飲んで寝よう、ってなるんです。そして、現実にお酒を飲んで寝るという行動をするわけです。

で、朝になってみると、酒を飲んだら意外と寝つきがよかったな、という感想をもつわけです。で、この感想というのが、さっき話した脳の真ん中の部分の感情と記憶を扱うところに記録されるんです。

すると、次回からどうなるかというと、同じように嫌なことがあると、脳の一番上で論理的に考えることはせずに、脳の真ん中の部分から記憶を引っ張り出して、記憶に紐づけされた感情が湧き上がってきて、前回と同じような行動をしようとします。

読者

論理ではなく感情で行動を決めるんですね。

脳のショートカット「サボり機能」

これは、脳のショートカット機能みたいなもので、人間の脳はとにかくやたらとショートカットをたくさん作りたがる傾向があります。これは、できるだけ脳の一番上の部分の「考える」という機能を使わずに生きていこうという性質があるんですよ。

栗林

脳のサボリ機能みたいなもんですね。家に帰ると、何も考えずにテレビをつけたり、YouTubeをつけて流しっぱなしにする人は多いですよね。

あれは、脳のサボリ機能のひとつなんですよ。人間は何もしないでじっとしていると、いろんなことが頭に浮かんできます。どうでもいいことや考えなくてもいいことが、とにかく頭にポンポンと浮かんでくるんですよ。

で、頭にポンポンと浮かんでしまったことを、適当に流すことはできなくて、何か脳内で処理をしないといけないんです。

これはいま考えなくてもいいよな、とか考えても仕方がないとか、そういう処理をひとつひとつしていかないと、頭に浮かんだことを流せないんですよ。脳内に勝手に浮かんだことに対して、脳がいちいち何かの処理をすることって、脳にとってけっこう負担なんです。

こういうときに、テレビとかYouTubeをつけて流しっぱなしにすると、脳がテレビとかYouTubeに気を取られるので、脳内に何かが勝手にポンポンと浮かんでそれを処理する必要がないので、脳も自分の意識も楽なんですよ。考えなくていいですから。

読者

テレビやYouTubeが考えるのを邪魔しているんですね。

中身が充実していないのに大人気なYouTuberの秘密

栗林

これが、さっき言った、脳のショートカット機能であり、脳のサボリ機能でもあるんですよ。だから人は無自覚に、テレビとかYouTubeをつけて流しっぱなしにするんです。人気のお笑い系YouTuberのコンテンツって、ものすごく中身がないと思いませんか?

本気でガン見するような価値のあるものって、ほとんどないんです。テレビのコンテンツより、さらに中身がないんです。でも、その中身のなさこそ、すごく価値があるんですよ。中身が充実していると、それを脳がきちんと処理をしなければいけないから、脳が疲れるのでみたくないんです。

読者

たしかに中身が詰まった動画は疲れますね。

脳がサボるのに適した、適度に中身のないコンテンツだから、YouTubeをつけて流しっぱなしが成立するんです。テレビの芸人のより全然レベル落ちるのに売れているのは、脳がサボるのに適した中身のないコンテンツだからなんです。

もちろんYouTubeにも中身が充実したコンテンツはいっぱいありますよ。YouTubeの良いところは、すごく中身のあるコンテンツと、脳のサボリ機能に適した中身のないコンテンツが両方ともたくさんあって、それが時間と場所を問わずいつでも見られるわけです。そりゃ、テレビがYouTubeに負けるのも納得ですよね。

習慣を変える方法「ながら刺激をやめる」

というわけで、習慣って脳のサボリ機能から来てるんですけど、いったん成立してしまった脳のサボリ機能を消去するって、かなり大変です。脳のサボリ機能って、ホントに強力なんですよ。1回サボリの味を知ってしまうと、なかなかやめられないのってわかりますよね。

栗林

だから、やめようって決意する程度では、辞められないんですよ。で、結局習慣とは何なのかというと、脳が「考える」ことをサボリたいから、作られちゃうっていうことです。ということは、脳に考えることをサボらせなければ、新しい習慣はできないし、変な習慣には疑問を持つことができるので、習慣を変えることができるようになります。

それでは、

どうやって脳にサボらせずに「考える」ことを続けさせるかというと、「ながら刺激」をやめることです。

ながら刺激というのは、〇〇しながら何々するみたいなやつです。例えば、ご飯を食べながらYouTubeを聞きっぱなしにする、テレビを見るとかです。

読者

時間を有効活用しようとして、ながら刺激をやっていました。

ながら刺激をやめると、無駄が省かれ成果が出る

栗林

こういう場合、ご飯を食べるならご飯を食べる以外になにもしない、というふうにします。すると、ご飯のことだけを考えるようになりますから、サボリ機能が発動しないんですよ。YouTubeを見るなら集中してみるようにして、YouTubeを見ながら他ごとはしないようにします。

こうすると、コンテンツの理解に集中するので、サボリ機能が発動しないんです。あと、こうやってひとつのことだけに集中すると、無意味とか無駄に思えることをやってられなくなるんですよ。YouTubeのコンテンツでも、くだらないものを見てられないようになります。すると、

自分にとって有意義なことしかしなくなるので、無駄が省かれていってどんどん効率よく成果が出るようになります。

読者

無意味なYouTubeをダラダラ見ることも、なくなりそうですね。

そのうち、無意味や無駄な習慣が自然と省かれていって、気がつくと無駄な習慣が消えていたりします。これが、習慣を変える方法ということですね。今日は以上です。

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